聖心ウルスラ学園短期大学

聖心ウルスラ学園短期大学：キリスト教精神に基づく教育の歩みと閉校

聖心ウルスラ学園短期大学は、宮崎県延岡市に本部を置く私立短期大学でした。1967年の開学から2011年の閉校まで、地域社会に貢献する人材育成に尽力しました。本学は、イタリア・ローマに本拠を置く聖心のウルスラ宣教女修道会を母体とする学校法人聖心ウルスラ学園によって運営されていました。

建学の精神と教育理念

聖心ウルスラ学園短期大学は、イエス・キリストの教え「神が愛したように互いに愛し合いなさい」を建学の精神として掲げ、キリスト教精神に基づいた教育を実践していました。教育目標としては、正しい世界観、人生観、道徳観を養い、心豊かな人間を育成することを目指していました。

教育内容と特色

本学は、幼児教育者と栄養士の養成に重点を置いていました。このため、食物栄養学科と幼児教育学科が設置され、それぞれの専門知識・技術を習得できるカリキュラムを提供していました。また、キリスト教系の大学として、「キリスト教学」や「キリスト教人間学」などの宗教科目を設置し、学生の精神的な成長を支援していました。

聖心のウルスラ宣教女修道会は、16世紀にイタリアで貧しい少女たちの教育支援から始まった歴史を持ちます。400年以上にわたる活動の中で、極東への活動展開を経て日本に布教活動を行うようになり、本学の設立につながりました。

本学では、カトリック精神と宗教的情操教育を通して、学生の倫理観や社会性を育む教育に力を入れていました。「聖母マリアを讃える行事」や「クリスマスの祈りの行事」などの宗教行事が盛んに行われていたことも特徴です。

学科の変遷と取得資格

開学当初は家政科としてスタートし、その後、家政学科（家政専攻、食物栄養専攻）と幼児教育学科が設置されました。家政学科は後に食物栄養学科に改組され、食物栄養学科では栄養士資格、幼児教育学科では保育士資格と幼稚園教諭二種免許状を取得することができました。また、過去には家政学科家政専攻で中学校教諭二級免許状（家庭、保健）の取得も可能でした。

学生生活とキャンパスライフ

本学では、サッカーや弓道などの体育系クラブと、ガーデニングや折り紙などの文化系クラブが活動していました。毎年10月には「緑苑祭」と呼ばれる学園祭が開催され、学生たちは活発なキャンパスライフを送っていました。女子学生寮「聖心ウルスラ学園寮」も設置されていました。

系列校との連携

聖心ウルスラ学園短期大学は、学校法人聖心ウルスラ学園が運営する聖心ウルスラ学園聡明中学校・高等学校、聖心ウルスラ学園附属幼稚園、聖心ウルスラ学園歯科衛生士専門学校などの系列校と連携し、教育活動を行っていました。

閉校

2009年度入学生を最後に学生募集を停止し、2011年3月31日に閉校しました。長きにわたる歴史に幕を閉じ、多くの卒業生を社会に送り出しました。その教育理念と伝統は、関係者たちの記憶に刻まれています。

アクセス

JR日豊本線南延岡駅から徒歩約20分、または宮崎交通バス利用でアクセスできました。

参考文献

本記事の作成には、全国学校総覧、全国短期大学高等専門学校一覧、聖心ウルスラ学園短期大学の資料、および関連ウェブサイトの情報などが用いられました。これらの情報源は、本文中に明示されているか、または脚注に記載されています。

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