聖林ホテル

映画『聖林ホテル』の詳細

『聖林ホテル』（はりうっどほてる、Hollywood Hotel）は、1937年に公開されたアメリカのロマンティック・ミュージカル・コメディ映画です。本作は、著名な監督バスビー・バークレーの手によって制作され、ディック・パウエルやローズマリー・レイン、ローラ・レインなど豪華なキャストが出演しています。また、劇中では当時人気を博していたラジオ番組『ハリウッド・ホテル』を基にした内容が展開されており、作品に独自の魅力を与えています。

あらすじ

物語は、サックス奏者であるロニー・バワーズ（ディック・パウエル）がオール・スター・ピクチャーズとの契約によりハリウッドへ向かうところから始まります。彼を見送る際、元雇用主のベニー・グッドマンとそのバンドメンバーたちが「ハリウッド万歳」を演奏し、盛大な歓迎を受けます。

一方、気難しい女優モナ・マーシャル（ローラ・レイン）は、映画プレミアの直前に、自分が欲しかった役を他の女優に奪われたことで苛立っています。そんな中、広報のバーニー・ウォルトン（アリン・ジョスリン）は、モナの代役としてスタンドインのヴァージニア・スタントン（ローズマリー・レイン）を選びます。ヴァージニアのエスコートとして何も知らないロニーが選ばれ、彼は予期せぬ形でモナの代役を務めることになります。

ロニーとヴァージニアは心の距離を縮め、噴水の中で「アイム・ライク・ア・フィッシュ・アウト・オブ・ウォーター（I’m Like a Fish Out of Water）」を共に歌い、恋に落ちます。その後、モナはロニーの存在を知り、彼を解雇するように要求します。一方、ロニーは自身の才能を生かし、映画界で成功を収めるための道を模索することになります。

音楽とキャスト

本作の音楽は、ジョニー・マーサーとリチャード・A・ウィッティングが手掛けており、特に「ハリウッド万歳」という楽曲は多くの人に愛されています。この楽曲の歌唱は、ジョニー・デイヴィスやフランセス・ラングフォードによって行われ、映画授賞式でも頻繁に使用される名曲となっています。

また、映画にはルエラ・パーソンズやフランセス・ラングフォード、ベニー・グッドマン＆オーケストラなど、当時の著名な音楽家たちが劇中のラジオ番組に出演しており、一層の華やかさを演出しています。

制作の背景

ワーナー・ブラザースが本作を制作するにあたり、当初はベティ・デイヴィスをモナ・マーシャルとそのスタンドインを演じる役に思い描いていましたが、デイヴィスはこれを拒否しました。また、本作の制作にはいくつかの法的なトラブルも伴い、ラジオ番組『ハリウッド・ホテル』のスポンサー側からの訴訟を受ける事態となりました。

本作は、ハリウッドの華々しい舞台裏やゴシップを描きつつ、成功と恋のストーリーが織り交ぜられた作品となっています。映画の撮影地の一部には、当時の聖林ホテルの外観も登場し、その後のアカデミー賞授賞式の場としても知られています。映画を通じて、1930年代のハリウッドの文化や人々の生き生きとした様子が浮き彫りになっています。

まとめ

『聖林ホテル』は、ラジオと映画の融合したエンターテインメントを楽しむことができる作品であり、視聴者に笑いと感動を与えました。またその後、アメリカン・フィルム・インスティチュートより評価され、「ハリウッド万歳」は名曲としてその名を刻み続けています。

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