聖福寺 (長崎市)

聖福寺（しょうふくじ）

聖福寺は、長崎県長崎市玉園町に位置する黄檗宗の仏教寺院です。山号は万寿山と称します。

概要

この寺院は、日本に黄檗宗を伝えた隠元の孫弟子にあたる鉄心道胖（てっしんどうはん）を開山として、1677年（延宝5年）に建立されました。建立にあたっては、長崎奉行の後援や、在崎唐人、そして鉄心道胖の母の実家である地元豪商西村氏などの出資がありました。創建時には、既に存在していた長崎三福寺と呼ばれる唐寺3ヶ寺の目付寺としての役割を担っていましたが、後代には三福寺に当寺を加えて「長崎四福寺」あるいは「長崎四ヶ寺」とも称されるようになりました。

堂宇の様式は、他の黄檗宗寺院と同様に朱塗りを特徴としていますが、聖福寺の建築はより和風建築に近いものとなっています。また、俗に広東寺（カントンデラ）とも呼ばれています。

慶応3年（1867年）のいろは丸事件においては、紀州藩と土佐藩の談判の舞台となりました。

近年、大雄宝殿をはじめとする境内の建造物の老朽化が深刻化し、倒壊の危険がある状態となっていました。当初は修復費用の捻出が困難で工事に着手できない状況が続いていましたが、2014年9月18日付で長崎県指定有形文化財の建造物4棟（大雄宝殿・天王殿・鐘楼・山門）が国の重要文化財に指定されたことにより、国の補助金を受けられるようになりました。これにより、国から最大で85%の工事費の補助を受けられるようになったほか、長崎県や長崎市からの補助もあり、寺側の負担が6%ほどになったことから修復工事に着工しました。工期は10年を予定しています。

文化財

重要文化財（国指定）

大雄宝殿 - 江戸時代中期（1697年）の建立。桁行三間、梁間四間、二重、入母屋造、北面切妻屋根付、本瓦葺、西面及び北面軒下張出し付。平成26年（2014年）9月18日指定。
天王殿 - 江戸時代中期（1705年）の建立。桁行三間、梁間三間、一重、入母屋造、本瓦葺。平成26年（2014年）9月18日指定。
鐘楼 - 江戸時代中期（1716年）の建立。桁行三間、梁間三間、二重、入母屋造、本瓦葺。平成26年（2014年）9月18日指定。
山門 - 江戸時代中期（1703年）の建立。桁行三間、梁間二間、一重、切妻造段違、本瓦葺。平成26年（2014年）9月18日指定。

長崎市指定有形文化財

梵鐘 - 長崎市内最大のもので、現在は除夜の鐘としてのみ使用されています。
惜字亭 - 寺内の不要文書類の焼却に用いられました。
石門
その他
じゃがたらお春の碑 - 吉井勇の短歌が刻まれています。

所在地

長崎県長崎市玉園町3-77

アクセス

長崎電気軌道桜町電停下車、徒歩4分。

関連項目

解夏 - 映画版のロケ地となりました。

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