聖護院

聖護院（しょうごいん）

聖護院は京都市左京区に位置する本山修験宗の総本山で、本尊は不動明王です。開山は増誉であり、この寺院はかつて天台宗寺門派の一つとして栄えていました。聖護院は、全国の霞を統括する寺院であり、1872年に修験道廃止令により一時天台宗に属しましたが、1946年に本山修験宗として再独立を果たしました。その歴史は非常に古く、11世紀末には設立されましたが、数度の火災に見舞われながらも、現在の地に戻ったのは1676年のことです。

歴史と皇室との関わり

聖護院の歴史は、静恵法親王が入寺してから特に皇室との結びつきが深くなりました。今まで37代にわたる門主の多くが皇族や摂家出身であり、江戸時代には仮皇居にもなりました。また、聖護院は国の史跡に指定されており、地元住民からは「御殿」とも呼ばれるなど、地域にも密接に結びついています。

聖護院の森と周辺

聖護院自体が広がる森、「聖護院の森」は特に紅葉の美しさから「錦林」とも称され、周辺の地名にもその名前が残っています。南西には熊野神社があり、ここも聖護院の信仰の拠点とされています。著名な祇園祭では、聖護院による護摩焚きの儀式も行われており、修験道の重要な地として位置付けられています。

増誉とその後の発展

開山の増誉は、修験道の影響を強め、白河上皇の熊野詣の先達として知られました。彼は熊野三山検校にも任じられ、この役職は後の門跡にも継承されていきました。聖護院の門跡制度は長い間皇族によって維持され、神社の原型とも言える道を歩んできました。後に、南北朝時代の混乱を経て、再び名門の地位を築くことになります。

現在の聖護院

現在の聖護院は、明治初期の神仏分離令によって天台寺門宗に帰属しましたが、その後独立を果たし、現在も本山修験宗の中心的存在であり続けています。境内には本堂、十三重石塔、宸殿、書院などの文化財が存在し、特に書院は重要文化財に指定されています。また、庭園や茶室もあり、訪れる人々は多様な文化を体験することができます。

アクセスと周囲の施設

聖護院へは、京阪電気鉄道鴨東線神宮丸太町駅から徒歩7分ほどでアクセス可能です。また、近隣には須賀神社や金戒光明寺、平安神宮などの観光名所も点在しています。地元の人々に親しまれる聖護院は、修験道の精神を受け継ぎながら日本の歴史を物語る場所でもあります。

聖護院は、皇族と深い関わりを持っており、様々な歴史的事件や文化が交錯する場所です。多くの人々がこの寺院を訪れ、先人たちの思いや修験道の歴史に触れる機会を得ています。これからも聖護院は、その存在意義を現代に伝え続けることでしょう。

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