聖闘士星矢 ギガントマキア

聖闘士星矢 ギガントマキア

『聖闘士星矢 ギガントマキア』は、車田正美の漫画「聖闘士星矢」を原作とした浜崎達也によるオリジナル小説です。この作品は原作のアナザーストーリーを描き、大胆な新解釈が盛り込まれています。主要キャラクターの星矢をはじめとする5人の聖闘士が登場するものの、物語の中心となるのは新たに登場するキャラクター、盟となっています。

物語の舞台は、原作の十二宮編の後である夏の夜です。しかし、著者は本作をパラレルとして語るのではなく、「偽伝」と位置づけています。これは「聖闘士星矢」という作品の解釈の一つであり、公式の設定には加えられないと述べています。

あらすじ

遥か昔、神話の時代に封印された邪悪な巨人族、ギガスが再び姿を現します。この巨人たちは、アテナとの戦いに敗れながら、現代に復活を果たしました。星矢たちは、盟という異母兄弟の導きにより、シチリアで行われる調査に向かいます。しかし、盟はギガスの邪神テュポンの傀儡となり、星矢たちを裏切ってしまいます。

彼らは絶体絶命の危機に立たされますが、アテナの愛と盟が持つ髪の毛座の聖衣が彼らを救います。この事件を通じて、新しい聖闘士が誕生する運命が描かれ、盟の運命もまた、彼自身の戦いを通じて新たに動き出します。

登場人物

聖闘士

• - 髪の毛座の盟（メイ）

日本出身で、シチリアで修行を積んだ盟は、城戸光政の嫡男でありながら、兄弟たちの試練を知り城戸の名を捨て、聖闘士への道を選びました。彼は黄金聖闘士デスマスクの弟子として知られていますが、師の死後、聖闘士としての称号を得られなかったと語ります。実際には、巨神テュポンに憑依され、聖域の密偵として星矢たちを導く存在となります。

• - 祭壇星座のニコル

聖域の助祭長であり、白銀聖闘士のニコルは教皇の不在時に内務を統括し、聖闘士たちを指揮しています。彼は紫龍が次世代の教皇になれる素質を持つと見るが、強敵に襲われ命を落とします。

• - 六分儀星座のユーリ

青銅聖闘士のユーリは、女聖闘士としての立場から仮面で顔を隠しています。彼女は星々の動きに基づく吉凶を見定める役割を果たしますが、誘拐されてしまい、運命的な結末を迎えます。

ギガスたち

• - ギガス

自らを大地の子と称し、古の聖闘士たちと戦ってきた巨人族のリーダーです。強靭な身体を持ち、金剛衣を纏う彼らの戦いはギガントマキアと呼ばれます。

• - テュポン

ギガスの邪神で、破壊の意志を持つ存在です。彼は盟やエンケラドスに憑依し、復活を試みますが、聖闘士たちによって阻止されます。

この作品は、聖闘士の宿命や友情、裏切りの物語を通じて、多くの要素が絡み合い、異なる解釈が交錯します。感動的な要素や驚きに満ちた展開が織り成され、ファンを魅了する新たなストーリーとなっています。車田正美と浜崎達也が手掛けたこの作品は、古典的な要素を持ちながらも、新しい魅力を放つのです。

書誌情報

『聖闘士星矢 ギガントマキア』は集英社のジャンプ ジェイ ブックスから出版され、全2巻構成となっています。

• - 「盟の章」 : 2002年8月刊行、ISBN 4-08-703119-5
• - 「血の章」 : 2002年12月刊行、ISBN 4-08-703123-3

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