聖飢魔II〜悪魔が来たりてヘヴィメタる

聖飢魔II〜悪魔が来たりてヘヴィメタる

日本のヘヴィメタルバンドである聖飢魔IIのデビューアルバム「聖飢魔II〜悪魔が来たりてヘヴィメタる」は、1985年9月21日にCBS・ソニーのFITZBEATレーベルからリリースされました。このアルバムは同バンドの第一大教典として位置づけられており、聖飢魔IIの歴史的なスタート地点となります。

アルバムの背景

聖飢魔IIは1982年末に早稲田フォークソングクラブでダミアン浜田を中心に結成されました。音楽活動の初期には、浜田が提唱した実験的なバンドも存在し、その後ヘヴィメタルバンドとしての基盤が築かれました。バンド名自体も、結成当初は「世紀末」や「魔殺」などの候補があったものの、浜田とデーモン小暮の意見により「聖飢魔II」という名称が決定されました。

デビューの過程

聖飢魔IIは、音楽コンテスト「C.S.オーディション」で特別賞を受賞した後、正式なデビューを果たすこととなりましたが、創設メンバーの浜田はデビューを控え脱退を宣言。新たなメンバーが加わることでようやくこのアルバムが完成へと至ります。

録音作業は1985年に開始され、プロデューサーはフュージョンバンド「プリズム」の渡辺建が担当しました。これにより、聖飢魔IIは新しい音楽性を模索することとなり、地球デビューに向けて緊張と期待が高まりました。

音楽とテーマ

アルバムには「魔王凱旋」や「地獄の皇太子」などの曲が収録されており、特に「悪魔組曲」は聖飢魔IIの象徴的な楽曲として知られています。音楽のテーマとしては、悪魔や地獄をモチーフにした幻想的な要素が色濃く反映されています。曲の構成は、異なる楽章を持つ組曲となっており、聖飢魔IIのスタイルを確立する重要な音楽的要素となりました。

リリースと商業的成功

本作はリリース直後、オリコンアルバムチャートでは最高30位を記録するなど、商業的に成功を収めました。特に注目すべきは、デビューアルバムにして日本のヘヴィメタル史上で初めて10万枚を超える売り上げを達成したことです。

批評と影響

しかし、このアルバムは音楽誌『BURRN!』において、編集長の酒井康から0点という評価を受けるなど厳しい批評もありました。これは「聖飢魔II 0点事件」と呼ばれ、デビュー当初の彼らにとって重要なターニングポイントとなりました。とはいえ、聖飢魔IIはその後、新たな支持を得て成功を続けることになります。

結論

「聖飢魔II〜悪魔が来たりてヘヴィメタる」は、日本のヘヴィメタルシーンにおいて特異な存在を放つアルバムとなりました。独特な音楽性とビジュアル、さらに壮大なテーマで、彼らのキャリアの出発点としても非常に重要な作品です。今後も多くの ファンに愛され続けることでしょう。

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