職員団体

職員団体の概要



職員団体(しょくいんだんたい)とは、公務員が集まり、勤務条件の維持や改善を目指して設立される団体やその連合体を指します。これは、一種の公務員向けの労働組合ともいえますが、労働組合法は適用されず、法律上は「職員団体」と呼ばれます。民間の労働組合との違いは、団体協約の締結権が認められなかったり、争議権が制限されている点です。しかし、公務員には人事院や人事委員会、または公平委員会からの救済措置が用意されています。

組織の対象と制約



国家公務員の中でも、警察職員や海上保安庁、自衛隊の隊員、地方公務員においても警察職員消防職員は、職員団体への加入が禁止されています。また、行政執行法人や公営企業の職員も独自に労働組合を結成する自由が認められています。このように、職員団体の構成員には法的な制約が存在します。

法的根拠と登録



職員団体は、国家公務員法や地方公務員法の規定に基づいて設立されます。主な目的は職員の勤務条件を向上させることであり、必要に応じて社交的または文化的な目的を持つことも許されます。登録は人事院や地方人事委員会により行われ、登録されることで法人としての地位を持つことも可能です。登録に際し、職員団体の規約には法定事項が明記されている必要があります。

組織活動の自由



職員団体には、結成・解散、加入・脱退に関する自由が保証されています。この点は、オープン・ショップ制を採用していることからも明らかです。従って、構成員の雇用主や団体の代表者によって不利な扱いを受けることはないとされています。特定の条件を満たすことで、職員団体内での役割に専念することも可能ですが、その際には休職扱いとなります。

職員団体の活動内容



職員団体は、職員の給与や勤務条件について地方公共団体と交渉を行う権利がありますが、団体交渉の結果として団体協約を結ぶことは許可されていません。この法制度により、公務員の雇用条件に関しては条例及び法律で決定されるべきとの考えが強調されています。また、交渉に関しては事前の取り決めが求められており、予備交渉を経ないと本交渉が行えないというルールがあります。

書面による協定と遵守義務



職員団体は、地方公共団体に対して書面による協定を結ぶことができます。こうした協定は法的拘束力を持つものではありませんが、お互いの道義的な責任を強調する役割を果たします。また、争議行為に関しては厳格な制限が設けられており、ストライキや同盟罷業等の行動は禁止されています。

結論



職員団体は、公務員が自らの勤務条件を守るために必要な組織でありつつ、その活動には明確な法的制限があることも特徴です。これにより、公務員としての責務と権利が定められ、健全な組織運営が促進されるよう配慮されています。

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