職用車

職用車について

職用車（しょくようしゃ）は、日本国有鉄道（国鉄）やJRが自社の業務のために使用する鉄道車両を指します。これらの車両は営業用ではなく、特定の内部業務に従事するためのものであり、救援車や配給車など、他のカテゴリーに属さない車両の総称です。これには電車、気動車、客車、貨車などがあり、すべての職用車は「ヤ」という車種記号で識別されます。

職用車の役割

職用車は、様々な用途に対応すべく設計されており、その役割は多岐にわたります。ここでは、主要な職用車の種類とその用途について詳しく説明します。

1. 牽引車

牽引車は、単独で自走できない車両を牽引するために使用される車両です。たとえば、固定編成の電車が工場検査に入る際には、車両が切り離されることがありますが、その場合には牽引車が必要となります。

2. 職員輸送車

職員輸送車は、最寄駅から離れた車両基地や貨物駅に職員を輸送するための車両です。多くの場合、営業用の車両が代用されることもあります。

3. 試作車

試作車は、新しい技術や性能を試験するための車両で、特に高速や走行性能に焦点を当てています。

4. 電源車

電源車は、ブルートレインなどの客室に電力を供給する役割を持ち、荷物車やラウンジカーとは分かれています。現在は、JR東日本のE26系客車「カヤ27 501」だけが存在しています。

5. 試験車

試験車は、軌道設備の測定を行うための車両で、様々な技術基準を維持するために重要な役割を果たしています。

6. 建築限界測定車

この車両は、構造物の建築限界を測定するために使用され、鉄道網の安全性を維持するために必要です。

7. 工事車

工事車は、様々な工事に使用される多用途な車両です。例えば、新設や改修工事に関わる貨車を含め、特定の目的に合わせて設計されています。

8. 教習車および訓練車

教習車は、車両の構造や動作を示すことを目的としており、内部設置された部品などを露出させて、教育や訓練を行います。一方、訓練車は、運転士などの実際の訓練を目的に使用されます。

9. 保健車

保健車は、職員の健康診断や診察を提供するためのもので、必要な医療設備が備わっています。1970年代には、北海道や東北、山陰地方で活躍していました。

10. 広報車

広報車は、鉄道事業に関するPR活動を行うための車両であり、特定のイベントに合わせて改装されることが多いです。

現在の職用車

現在、全国の鉄道事業者において、上記のような種類の職用車が運用されています。新幹線関連のドクターイエローやEast iなど、高度な技術を用いた車両が多く、職員輸送のための国鉄オヤ30形なども含まれます。

職用車は、鉄道の運営や保守に欠かせない存在であり、地域や時代のニーズに応じて形を変えながら、今後も重要な役割を担っていくことでしょう。

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