職貢図

職貢図とは

職貢図（しょくこうず）は、古代中国の王朝が周辺諸国や少数民族からの貢物を描いた絵図です。特に、南朝梁の武帝治下に作られた「梁職貢図」が有名で、これには当時の使節団の姿や彼らが持参した貢物が詳細に描かれています。

職貢の意味

「職貢」とは、「中央政府への貢ぎ物」を意味し、これを通じて諸民族が皇帝に対して敬意を表し、または友好関係を築く役割を果たしていました。

布告と背景

職貢図は、古代中国の王朝にとって重要な文献であり、周辺民族の多様性や異文化交流を示す貴重な資料です。この図は、南朝梁から清朝時代までの間に描かれ、特に周辺諸民族がどのように中国に対して貢物を送り、文化的な交流を行っていたかを視覚的に理解する助けとなります。

主な作品と模本

「梁職貢図」は、南朝梁の武帝（蕭衍）の第7子、後に元帝となる蕭繹が荊州刺史を務めていた時代に制作されたとされています。蕭繹は学問を好み、多数の書籍を所蔵していました。彼は諸国の使者の風貌を観察し、古い文献を参考にして絵を描かせたと伝えられています。

元の原本は紛失していますが、現存する模本は以下の4種類です：
1. 唐の閻立本による模本（王会図）
2. 南唐の顧徳謙による模本
3. 北宋の『蕭繹職貢図』模本
4. 清代の張庚による『諸番職貢図巻』
これらの模本は、いずれも完全な形ではなく、画面の一部が欠落していることが多いです。

記載国のリスト

この図に描かれている国々には、多くの名前が挙げられています。有名な国としては、以下の国々があります：

• - 渇槃陀国
• - 武興蕃
• - 于闐国
• - 高昌国
• - 百済国
• - 倭国
• - 高句麗国
• - 亀茲国
• - 周古柯国

などがあり、これらの国々は中国との歴史的関係や交流を持っていました。

張庚の模本とその意義

近年発見された張庚による『諸番職貢図巻』は、新たな国の名前を追加し、職貢図の研究をさらに進めるための重要な資料となっています。この模本では、中国の歴史的な記録や文化交流の様相をより豊かに示しています。

結論

職貢図は、古代中国の海の向こう側に存在した国々との文化的な接触とその歴史を視覚的に示す貴重な資料です。それによって、当時の中国人がどのように他民族を認識し、彼らとの関係を築いていたのかが理解できるのです。この作品は、通信や外交の歴史を探求する上での貴重な鍵となります。

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