肉胞子虫

肉胞子虫について


肉胞子虫（にくほうしちゅう）、あるいは住肉胞子虫（じゅうにくほうしちゅう）は、アピコンプレックス門に分類される寄生性の原生生物です。この生物は肉胞子虫属（Sarcocystis）に属し、現時点で100種以上が確認されています。肉胞子虫はサルコシスチス、サルコシスティスやザルコシスティスとも表記され、その宿主によって異なる疾患であるサルコシスチス症を引き起こすことがあります。

生活環


肉胞子虫は一般に、終宿主と中間宿主という2つの宿主を経て生活します。多くの場合、終宿主は捕食者であり、中間宿主は被食者の関係にあります。中間宿主が環境中でスポロシストを摂取すると、スポロシストが放出するスポロゾイトが血管に侵入し、無性生殖が始まります。この過程で、筋肉組織などに到達し、サルコシストが形成されます。その後、最初は単独のメトロサイトが増殖し、最終的に感染能を持つブラディゾイトが生まれます。

終宿主が中間宿主を捕食する際、筋肉内のサルコシストを摂取します。この時、ブラディゾイトは小腸に達し、有性生殖を行ってオーシストを生成します。オーシストは最終的に糞便と共に排出され、成熟の過程で壁が破れスポロシストが環境に放出され、安全に中間宿主がこれを経口摂取し感染を広げることができます。

分類


肉胞子虫は従来、原生動物門胞子虫綱住肉胞子虫目に分類されていましたが、その位置付けについては様々な議論が行われてきました。1970年代に入ると、その生活環が明らかになることでコクシジウム類に近縁であることが明確になりました。それに伴い、肉胞子虫科が形成され、特に多くの種が存在しています。

以下は、医学や獣医学上で特に重要な種と、それぞれの中間宿主及び終宿主の情報です。

なお、Frenkelia属は齧歯類を中間宿主とし、猛禽類を終宿主とする非常に似た生物ですが、筋肉より脳にシストを形成しやすいため区別されています。分子系統解析の結果、肉胞子虫に含まれることが示されています。

歴史


肉胞子虫は1843年にバーゼル大学のミーシェルによってマウス体内で初めて発見されました。サルコシストの名称がミーシェル管と呼ばれるのは、彼の発見に由来しています。その影響は大きく、現代の寄生虫学においても重要な位置を占めています。

参考文献



電子顕微鏡で見た病原体 - 住肉胞子虫についての詳細情報を得るには、外部リンクを参照してください。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。