肥後和男

肥後和男の生涯と業績

肥後和男（1899年4月8日 - 1981年2月24日）は、日本の著名な歴史学者であり、日本古代史の研究において中心的な役割を果たしました。茨城県久慈郡大子町で生まれ、東京教育大学での長い教職生活を経て、名誉教授としての地位を持ち続けました。日本の歴史学界において、彼は特に民俗学と歴史における関連性に焦点を当て、多くの重要な研究を行いました。

略歴

肥後は茨城県立下妻中学校を卒業後、東京高等師範学校へと進学し、その後福岡県立東筑中学校や長野師範学校で教壇に立ったのち、1927年に京都帝国大学の史学科を卒業しました。大学院在学中には、西田直二郎や濱田耕作から文化史学や考古学を学び、滋賀県内の史跡調査も行いました。1932年から東京文理科大学で講師として教鞭をとり、次第に教授として活躍することとなりました。

1946年には公職追放を受けますが、1952年には東京教育大学に戻り、教授としての職務を続けました。1963年に定年退官後は名誉教授として歴史研究を続け、その後立正大学でも教授職を務めました。1947年には「宮座の研究」により文学博士の学位が授与されました。

研究領域と学績

肥後和男は、学生時代から文化史や考古学に興味を抱き、特に民俗と歴史の交差点に着目していました。彼の研究では、古代の神話や民俗的な現象と歴史の関連について多くの論文が発表されており、その中でも近畿地方の宮座に関する研究は重要な文献とされ、後の研究の基礎を築きました。

東京文理科大学での講義を通じて、彼は和歌森太郎や萩原竜夫、桜井徳太郎といった多くの学者を育成し、戦後日本における民俗学の発展に寄与しました。また、彼の思想は天皇でもあり続け、天皇に関する著作物も数多く残しています。

著書と出版物

肥後和男の著書は多岐にわたりますが、個人研究としては以下の作品が特に注目されています。

• - 肥後和男著作集（教育出版センター、1985年、1993年）
• - 家庭の問題に関する8人の意見（共著、日本教文社、1955年）
• - 歴代天皇紀（共著、秋田書店、1972年）
• - 図説歴代天皇紀（編著、秋田書店、1989年）

さらに、彼は日本文化史講座（明治書院、1958年 - 1959年）といったシリーズを編纂し、日本の文化的歴史を体系的に整理しました。

肥後和男の影響と評価

肥後和男は、日本の古代史と文化に関する知識を深化させると同時に、歴史と民俗学の関連性を探求する先駆者的な存在でした。彼の業績は、現在の研究者たちにとっても大きな指針であり影響力を持っており、彼の残した文献は今なお学術界で引用されています。

肥後和男の生涯を通じて、彼は歴史学と民俗学における重要な架け橋としての役割を果たし、学問的な探求の地平を広げる努力を続けました。

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