胡子講

胡子講（えびすこう）

胡子講は正式には「胡子大祭（えびすたいさい）」と呼ばれ、広島県広島市中区胡町の胡子神社で毎年11月17日から4日間にわたって行われる伝統的な祭りです。この祭りは「えべっさん」として広く親しまれており、地域の人々にとって重要なイベントと位置づけられています。胡子講は広島三大寺社祭りの一つに数えられ、地元商店街の活気の源ともなっています。

祭りの内容

胡子神社では、商売繁盛を祈願した縁起物として熊手（こまざらえ）が販売されます。この熊手は神社を代表する商品の一つで、訪れる人々にとっては縁起物としての意味合いがあります。さらに、えびす通り商店街では胡子講に合わせた大売り出しが行われ、多くの店舗がバリエーション豊かな商品を特価で提供します。この期間中、広島市内の中央通りは歩行者天国となり、毎年10万人以上の観客が訪れます。人々は色々な屋台やイベントを楽しみ、美味しい食べ物や特産品を味わいながら、祭りの雰囲気を満喫します。

歴史的背景

胡子講の歴史は古く、1603年（慶長8年）に胡子神社が建立されて以来続いています。熊手の販売は1901年（明治34年）の鎮座300年祭から始まったとされています。それ以来、胡子講は年を重ねるごとに地域の文化として根付き、特に1945年（昭和20年）の原爆被災時も祭りは行われました。原爆による影響で多くの地域行事が中断された中で、胡子講は三ヶ月後の11月20日に仮設の社殿で祭典を実施し、戦後の復興と地域結束を象徴するイベントとなりました。戦争を挟んでも、450年以上もの間、途切れることなく続いていることは、その伝統の深さを物語っています。

交通アクセス

胡子神社の所在地は広島県広島市中区胡町5-12で、交通の便は非常に良いです。広島駅からは広島電鉄を利用することで、広電宮島口・江波・紙屋町経由の路線で約11分、また白島電停からは広島電鉄白島線の八丁堀行きを利用し、7分でアクセス可能です。胡町電停や八丁堀電停からはすぐに神社に到着します。

イベントの出来事

しかし、胡子講は賑わいの反面、過去には衝突事件もありました。1999年の祭りでは、中央通りで暴走族が集会を行い、道路の無断占拠を理由に警官隊と大規模な衝突が発生しました。この事件はマスメディアによって全国的に報道され、多くの人々にその影響を知れ渡りました。こうした歴史を持ちながらも、胡子講は地域の絆と活気を象徴する重要な祭りであり続けています。

豊かな歴史と地域文化を持つ胡子講は、訪れる人々に楽しい体験と共に、地元経済の活性化にも寄与しています。そして、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

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