脂肪腫

脂肪腫について

脂肪腫（しぼうしゅ）は、良性の脂肪細胞によって形成される腫瘍です。通常、皮下組織や筋肉などの軟部組織に発生し、全身の様々な部位に見られますが、特に背中や肩、首に多く、上腕部や大腿部など体幹に近い四肢でも見られます。この腫瘍は、一般的に痛みを伴わないため、無症状で発見されることが多いです。脂肪腫は一般に急速には成長せず、数mmから10cmを超えるサイズにまでなることがあります。

発生する部位とその特徴

脂肪腫は全身どこでも発生する可能性がありますが、顔面、頭皮、下腿部などにはあまり見られません。これは、何らかの刺激を受けやすい周辺組織にできる傾向があるためとも言われています。発生する脂肪腫の約90％は、皮下組織に位置する浅在性脂肪腫です。一部は筋肉内で形成される深在性脂肪腫で、こちらは比較的硬くなることがあります。また、特に血管が豊富にあった脂肪腫は「血管脂肪腫」と呼ばれます。

脂肪肉腫との違い

脂肪腫と混同されやすいのが、悪性腫瘍である脂肪肉腫です。特に高分化型脂肪肉腫は、画像診断や視覚的判断、組織学的な特徴から良性の脂肪腫と区別がつきにくいことがありますが、染色体の異常な領域を調べることで indeed 判別が可能とされています。

主要な症状

ほとんどの脂肪腫は無症状ですが、場所によっては他の組織を圧迫することで症状を引き起こすことがあります。特殊な例として血管脂肪腫は一般的に痛みを伴うことが多いです。なお、粉瘤腫とは異なり、皮膚から内容物を押し出すことはできません。

治療方法

脂肪腫が小さい場合、または問題を生じていない場合は、経過観察のみが選ばれることがあります。しかし、大きな脂肪腫は見た目の問題などから摘出されることがあります。悪性の可能性がある場合も、適切な治療選択が求められます。手術においては、腫瘍の周囲組織を傷つけずに完全な切除を目指します。注射器で内容物を抜き取ることは不可能であるため、手術が一般的です。まれに、巨大な脂肪腫に対しては脂肪吸引が行われることもあります。

動物における脂肪腫

脂肪腫は人間だけでなく、犬などの動物でも見られる良性腫瘍です。これに関しても、動物特有の発生部位や特性があるため、注意が必要です。

まとめ

脂肪腫は一般的に良性で無害ですが、サイズや発生部位、他の病状の確認が必要です。適切な診断と治療を行うことで、安心して生活していくことが可能です。

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