脇田宗孝

脇田宗孝について

脇田 宗孝（わきた むねたか）は1942年に生まれた日本の陶芸家で、奈良教育大学の名誉教授を務めるとともに、放送大学の客員教授としても活動しています。彼は奈良県立畝傍高等学校を卒業後、奈良学芸大学（現在の奈良教育大学）で学び、1965年に卒業を迎えました。その後、彼は父母の故郷である明日香村に飛鳥赫窯を開窯し、自らの陶芸活動をスタートさせました。

彼の活動は陶芸作家としてだけでなく、教育者や古代陶器研究者としての側面も持ち合わせています。特に、飛鳥・奈良時代に使われた土器や須恵器、三彩といった古代陶芸技法の研究と復元においては、彼は第一人者として知られています。

脇田は、自身のライフワークとして、「陶芸における古代の造形美を探求し、その美と情感を多元的に具現すること」を掲げています。また、陶芸技法の習得を通じて、土から生まれる創造的表現の喜びを体感させ、文化財の意味や価値を理解させることに力を入れています。

略歴

脇田のキャリアは多岐にわたり、1965年から1970年までの間は伊奈製陶（現LIXIL）でタイル・デザイナーとしての職務を果たしました。その後、1970年に奈良県高市郡明日香村に陶房を設立し、陶芸作家として独立しました。以来、彼は奈良芸術短期大学の助教授や奈良教育大学の助手を歴任し、1982年から1990年までは教育学部の助教授としても活動しました。

また、彼は文部省（現在の文部科学省）の長期在外研究員としてドイツにて陶芸の研究・指導を行い、1990年からは奈良教育大学の教授として陶芸や文化財教育に貢献してきました。さらに、桜井女子短期大学（現在の畿央大学短期大学部）や京都市立芸術大学での非常勤講師を務め、2006年から現在にかけて放送大学の客員教授としても活躍しています。

業績

脇田の著作には『世界やきもの紀行』や『東アジアのやきもの』、『茶道雑誌-古今東西茶碗見聞録』などがあり、彼の研究は学術的な評価も得ています。論文においては、巨大埴輪の製作技法や茶碗の造形美に関する考察も発表しています。また、彼は環太平洋国際化学会議での招待発表を行い、国際的な場でも彼の研究が認知されています。

出展や個展も行っており、近鉄百貨店での「古代逍遥」や明日香村犬養万葉記念館での「飛鳥心象」など、彼の作品は多くの観客に触れられています。

社会活動

さらに、脇田は様々な社会活動にも参与しています。奈良県の身体障害者作品展や美術総合展覧会の審査員を務めるほか、社会教育センターでの講師や家庭教育推進事業の企画委員としても貢献しています。明日香村の文化協会の会長や、飛鳥保存財団の評議員として地域文化の発展にも寄与しています。

脇田宗孝は、陶芸という芸術を通し、古代の美を現代に伝え、さらに教育活動を通じて次世代の陶芸の発展にも寄与し続けています。彼の作品や教えは、陶芸に興味を持つ多くの人々に影響を与えています。

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