脚折雨乞

脚折雨乞（すねおりあまごい）

脚折雨乞は、埼玉県鶴ヶ島市に伝わる雨乞いの伝統行事です。干ばつの際に、巨大な龍蛇（りゅうだ）と呼ばれる蛇体を練り歩かせ、雷電池（かんだちがいけ）へ導くことで雨乞いを祈願します。この行事は、地域の歴史と人々の願いが込められた貴重な文化財として、大切に保存・継承されています。

行事の概要

脚折雨乞の中心となるのは、竹と麦藁で作られた巨大な龍蛇です。この龍蛇は、長さ約36メートル、重さ約3トンにも達します。行事当日、龍蛇はかつて脚折村の鎮守であった白鬚神社で祈祷を受けた後、善能寺を経由し、約2キロ[[メートル]]の道のりを練り歩き、脚折5丁目の雷電池を目指します。

雷電池に到着した龍蛇は、板倉雷電神社の神水とともに池へと導かれます。その後、龍蛇は担ぎ手たちによって解体され、その一部を持ち帰ると幸運が訪れると伝えられています。

伝承

昔、雷電池には雷や雨を司る大蛇が棲んでおり、そのほとりにある雷電社に祈れば必ず雨が降ると信じられていました。しかし、寛永年間の新田開発によって池が狭まってしまい、大蛇が上州板倉（現在の群馬県邑楽郡板倉町）へ移ってしまったため、雨乞いの効果が薄れてしまったと言われています。

そこで、人々は板倉雷電神社で降雨祈願を行い、そこの池の水を持ち帰ったところ、たちまち空が曇り、雨が降り始めたという伝承が残っています。

近年の取り組み

脚折雨乞は、近隣の住宅地化や専業農家の減少により、一時途絶の危機に瀕しました。しかし、1976年（昭和51年）以降は4年に1度開催することで、保存と継承が図られています。その文化的価値が認められ、1976年（昭和51年）に鶴ヶ島市指定無形文化財、2005年（平成17年）には国の選択無形民俗文化財に指定されました。また、2000年（平成12年）には、埼玉新聞社の「21世紀に残したい・埼玉ふるさと自慢100選」にも選出されています。

2020年（令和2年）は新型コロナウイルス感染拡大防止のため開催が見送られましたが、2024年（令和6年）8月4日には8年ぶりの開催が決定し、多くの人々の期待を集めています。

関連情報

テレビ番組: ダイドードリンコスペシャル「思いをつなげ!脚折雨乞〜4年に1度の巨大龍〜」（2012年8月26日、テレビ埼玉）
鶴ヶ島市イメージキャラクター: つるゴン（竜をモチーフにしており、脚折雨乞をイメージしている）

参考文献

松浦茂樹『埼玉平野の成立ち・風土』埼玉新聞社、2010年

外部リンク

鶴ヶ島市の公式サイトへのリンクを挿入'>鶴ヶ島市による紹介ページ
* 脚折雨乞 （埼玉県鶴ヶ島市） 【第17回大賞】 - YouTube

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