脱水 (医療)

脱水（だっすい）

脱水とは体内の水分量が欠乏している状態を指し、医学的には排出される水分と摂取される水分のバランスが崩れた結果生じます。脱水には二つの大きな状態、「volume depletion」と「dehydration」があり、日本では一般的に両者を「脱水」として扱います。

脱水の種類

1. volume depletion: 細胞外液、主に血漿や間質液の喪失。
2. dehydration: 細胞外液と細胞内液の両方から水分が失われる状態。

簡易的なチェック方法としては、毛細血管再充満時間があり、爪を押して血色が戻るまでの時間を測定し、2秒以上かかる場合は異常とされます。

脱水の原因

脱水は主に以下のような状況によって引き起こされます。

• - 水分摂取の不足: 意図的に水分を摂らない場合や、口渇感の欠如。
• - 水分喪失: 発熱、下痢、嘔吐、過度の発汗が原因。

特に、発熱の際には体の水分摂取が減少し、同時に不感蒸泄が増加します。また、急性の消化器疾患では嘔吐や下痢によって水分と電解質が喪失され、これが脱水のリスクを高めます。

脱水の分類

脱水は、血液中の電解質の組成に基づいて以下のように分類されます。

• - 低張性脱水: 水分の喪失が電解質の喪失を上回る状態で、全身倦怠感や眠気が見られます。血清ナトリウム濃度が140mEq/l以下が目安です。
• - 等張性脱水: 電解質の喪失と水の喪失がバランスのとれた状態で、特に水分摂取に依存します。
• - 高張性脱水: 水分が不足し、体内の電解質が過剰になる状態です。特に乳幼児や高齢者に多く見られます。血清ナトリウム濃度が150mEq/l以上が目安です。

脱水の症状

脱水の初期には自覚症状が少なく、進行すると全身倦怠感や冷感、脈拍の変化などが現れます。進行した状態では意識混濁や興奮状態になることもあります。適切な水分と電解質の補充が必要です。

脱水の治療

医療機関では、経口補水液や点滴によって電解質を調整することで脱水を治療します。軽症の場合は経口補水塩が有効ですが、スポーツドリンクはナトリウム濃度が低いため、特に乳幼児には注意が必要です。また、熱中症などの特定の原因による脱水では、適切な診断と治療が欠かせません。

まとめ

脱水はインフルエンザや腸炎などの病気と関連することが多く、特に注意が必要です。脱水に関する理解を深め、早期の発見と適切な対処が重要です。

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