脱穀機

脱穀機について

脱穀機（だっこくき）は、主に米や麦の収穫作業に使用される農業機械の一つです。特に日本では、米の脱穀のために広く利用されています。脱穀という作業は、穂から実を取り除くことであり、これにより収穫された穀物を後処理する基盤が整います。

発展の経緯

日本における脱穀機の歴史は江戸時代にまでさかのぼります。当時は、人が手作業で千歯扱きと呼ばれる機械を使い、米の脱穀を行っていました。しかし、1910年（明治43年）に発明家の福永章一が開発した足踏式脱穀機が登場すると、状況は大きく変わりました。この脱穀機は、踏板を踏むことでこぎ胴が自動的に回転し、実を効率よく脱穀することができました。この技術は大正年間に入ると全国的に普及し、多くの農家が導入しました。

さらに、脱穀作業の効率を一層高めるために、こぎ胴をガソリンエンジンや電動モーターで動かす脱穀機も開発されました。これにより、脱穀作業は手間なく、迅速に行えるようになりました。

脱穀機の種類

脱穀機はその歴史の中で、いくつかの種類に分けられています。以下のように、各脱穀機の特徴を見ていきましょう。

足踏式脱穀機

足踏式脱穀機は、逆V字型の針金を備えた円筒状のこぎ胴を人力で回転させて使用します。稲や麦の束をこぎ胴に押し付けることで、穂から実をこそぎ落とします。この機器は、踏板と歯車をクランクでつなげることで上下運動を回転運動に変えていました。また、この動作に伴う音から「ガーコン」とも呼ばれていました。

自動脱穀機（定置式）

自動脱穀機は、こぎ胴が動力で回転する仕組みを取り入れています。この機種では、稲や麦の束をこぎ胴に送り込むための搬送機構があり、唐箕を使用してわら屑や籾を選別し、純粋な籾だけを取り出します。定置式の自動脱穀機は庭や作業小屋の床に設置され、外部からの発動機やモーターによって駆動されます。

自走自脱型脱穀機（ハーベスター）

自走自脱型脱穀機は、基本的に自動脱穀機を台車に載せて運ぶことができる構造で、自搭載のエンジンを用いて自走機能も備えています。日本の農業界では、特にこの機械が「ハーベスター」として知られています。近年では、クローラ走行装置を搭載したモデルが多く見られます。これは、様々な農地の条件に対応するための設計です。

このような自動脱穀機に関して、その構造がシンプルで故障が少ないため、現在でも多くの農家で使用されていることが確認されています。特に、2007年当時には現役で使われることが多く、井戸水や隙間時間を上手に活用する日本の伝統的な農業スタイルが色濃く残っています。

以上が脱穀機の概要と、その進化の過程です。農作業の効率化はもちろんのこと、これらの機器によって日本の農業が発展し続けていることは疑いのない事実です。

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