脱竹

脱竹（だっちく）とは

「脱竹」とは、松竹芸能および松竹グループを退社したお笑い芸人や従業員が、独立または他の事務所や会社に移籍して活動を続けることを指す俗語です。

概要

2010年代後半から2020年代初頭にかけて、さらば青春の光（現：ザ・森東）やきつね（現：ホリプロコム）、Aマッソ（現：ワタナベエンターテインメント）など、関西を中心に活動していた若手芸人が相次いで松竹芸能から移籍し、関東で活躍を見せるようになりました。この現象がメディアで取り上げられるようになり、「脱竹」という言葉が用いられるようになりました。これらの芸人は「脱竹組」と呼ばれることもあります。また、単に松竹芸能を退社して芸能活動を継続する者についても、この言葉が使われることがあります。

松竹芸能から他事務所へ移籍し活躍する芸人が増えた背景には、以下のような要因が考えられます。

関西では吉本興業所属の若手芸人の活躍が目覚ましく、松竹芸能の若手芸人が活躍する場が限られていること
松竹芸能が所有する大阪の劇場が移転を繰り返していること
松竹芸能の芸人は売れないという認識が広まってしまったこと

松竹芸能との関係が悪化して退社した芸人もいますが、いわゆる「共演NG」といった状況は見られません。また、松竹芸能に所属している芸人も、YouTubeの題材やトークのネタとして「脱竹」という言葉を使用しています。

発案者

「脱竹」という言葉の発案者については諸説あり、明確な起源は特定されていません。

小森園ひろし説: 松竹芸能から吉本興業に移籍したピン芸人、小森園ひろしが提唱したという説があります。小森園のnoteにはその経緯が記されており、脱竹という言葉を広めたのは自分かもしれないが、言葉を産み落とした人物は別の芸人（廃業済み）であるとしています。そして、「その言葉を作った芸人は、自分が脱竹という言葉を産み落とした張本人であると気が付いていない」と小森園は記しています。
大西進説: 松竹芸能から吉本興業に移籍したお笑いコンビ、黒帯の大西進が提唱したという説があります。黒帯のYouTubeチャンネル内でその経緯が語られており、「自分が言い始めたものの、あくまで洒落の一環として発言していた」だけに過ぎないため、本当に自分が提唱したという確証がないとしています。

脱竹の例

松竹芸能を退社後、別の事務所やフリーで芸能活動を続けている芸人の例を以下に示します。

松竹芸能大阪本社を退社した主な芸人

松丘慎吾（元パスポーター、坂道コロコロ、鼻エンジン、現チャイム） - 太田プロダクション所属
仁田和伸（元アイスクリーム） - SMA NEET Project所属
日本エレキテル連合 - タイタン所属（2014年新語・流行語大賞）
スルメ - げんしじん事務所所属（あら-1グランプリ2018, 2022優勝）
お見送り芸人しんいち - グレープカンパニー所属（R-1グランプリ2022王者）
小森園ひろし - 吉本興業所属
街裏ぴんく - トゥインクル・コーポレーション所属（Be-1グランプリ2022優勝、R-1グランプリ2024王者）
リアルファイト荒木（クロコップ） - ケイダッシュステージ所属
さらば青春の光 - ザ・森東所属
プリンセス金魚 - 元ワタナベエンターテインメント所属（2022年解散）
シンプル - サンミュージック所属
きつね - ホリプロコム所属
黒帯 - 吉本興業所属
チョップリン - 吉本興業所属（ザ・プラン9のメンバーとしても活動）
内海英華

松竹芸能東京支社を退社した主な芸人

Aマッソ - ワタナベエンターテインメント所属
ペンギンズ（アニキ・ノブオ） - サンミュージックプロダクション所属
ブティックあゆみ（コンピューター宇宙） - 太田プロダクション所属
ゆんぼだんぷ - フリー
アゲイン - 元ライジング・アップ所属（2023年解散、けーたは松竹芸能に再所属）
TKO - フリー
阿諏訪泰義 - 個人事務所所属
みよこ - フリー
キンタロー。 - フリー
みなみかわ - 夫人設立の事務所所属
* 濱口優（よゐこ） - よゐことしては継続

もう一度検索