腎機能障害

腎機能障害とは？

腎臓は、体内の老廃物をろ過し、尿として排出する重要な臓器です。血液中の余分な水分や塩分、老廃物を除去するだけでなく、血圧調節や赤血球を作るホルモンの生成など、生命維持に不可欠な役割を担っています。

腎機能障害とは、様々な原因によって腎臓の機能が低下した状態を指します。腎臓の機能が低下すると、体内に老廃物が蓄積し、むくみ、高血圧、貧血などの症状が現れます。放置すると、尿毒症などの深刻な状態に陥る可能性もあります。

腎機能障害の原因となる主な腎疾患

腎機能障害を引き起こす腎疾患は数多く存在します。代表的なものとしては、以下のものがあげられます。

糸球体腎炎

糸球体腎炎は、腎臓の糸球体（血液をろ過する部分）に炎症が起こる病気です。急性糸球体腎炎と慢性糸球体腎炎があり、急性糸球体腎炎は感染症などが原因で突然発症する一方、慢性糸球体腎炎は徐々に進行していくのが特徴です。症状は、尿量の減少、むくみ、血尿など様々です。

腎盂腎炎

腎盂腎炎は、腎臓の腎盂（尿を集める部分）に細菌感染が起こる病気です。急性腎盂腎炎と慢性腎盂腎炎があり、急性腎盂腎炎は突然発症し、高熱、腰痛、頻尿などの症状が現れます。慢性腎盂腎炎は、急性腎盂腎炎を繰り返したり、尿路に異常がある場合に起こることがあります。

腎硬化症

腎硬化症は、腎臓の組織が硬くなる病気です。良性腎硬化症と悪性腎硬化症があり、良性腎硬化症は、高血圧や糖尿病などが原因で徐々に進行します。悪性腎硬化症は、全身性疾患に伴って起こることがあります。

ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群は、糸球体のろ過機能が低下し、大量の蛋白尿が出現する病気です。むくみ、低アルブミン血症、高脂血症などの症状が現れます。原因となる疾患は様々で、特発性ネフローゼ症候群など、原因不明のものもあります。

腎機能障害の症状

腎機能障害の症状は、障害の程度や原因によって異なりますが、一般的な症状としては以下のようなものがあります。

むくみ：顔や手足などに腫れが現れます。
尿量の減少：尿量が少なくなる、または尿が出なくなる場合があります。
血尿：尿に血が混じる場合があります。
蛋白尿：尿に蛋白が混じる場合があります。
高血圧：血圧が上昇します。
貧血：赤血球が減少します。
倦怠感：疲れやすい、だるいなどの症状が現れます。
食欲不振：食欲が低下します。
* かゆみ：皮膚のかゆみが現れる場合があります。

これらの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診することが重要です。

腎機能障害の検査と治療

腎機能障害の検査は、血液検査や尿検査、画像検査などで行われます。血液検査では、クレアチニン値や尿素窒素値などを測定し、腎機能の状態を評価します。尿検査では、蛋白尿や血尿の有無などを調べます。画像検査では、超音波検査やCT検査などを行い、腎臓の形態や構造などを調べます。

治療法は、原因疾患や症状によって異なります。薬物療法、透析療法、腎移植などが行われることがあります。薬物療法では、高血圧やむくみを改善するための薬剤などが使用されます。透析療法は、腎臓の機能が著しく低下した場合に行われる治療法で、血液を人工的にろ過します。腎移植は、ドナーから腎臓を提供してもらい、移植手術を行う治療法です。

腎機能障害は、早期発見と適切な治療が重要です。定期的な健康診断を受け、少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。

もう一度検索