腰椎症

腰椎症について

腰椎症（ようついしょう）は、腰椎の退行性変性による疾患であり、主に腰部に痛みやこり感が生じ、日常生活に支障をきたすことがあります。一般的に慢性的な腰痛が特徴で、X線検査では椎間板の狭小化や骨硬化、骨棘形成が確認されます。さらに、腰椎の可動制限も見られることが多く、適切な診断と治療が求められます。

症状

腰椎症は心身に多くの影響を与える疾患です。主に、腰痛、臀部の痛み、下肢のしびれや感覚鈍麻などの神経症状が現れます。また、長時間同じ姿勢でいると痛みが増強することも特徴的です。起床時や動作開始時に痛みが強くなる場合もあります。間欠性跛行（長距離歩行が難しい症状）や膀胱直腸機能障害も見られることがあります。

身体所見

診察においては姿勢の評価が重要で、側弯や脊椎の異常所見をチェックします。特に、圧痛点が重要であり、傍脊柱筋や神経根付近の圧痛を確認します。可動域制限や神経機能検査も実施し、適切な診断を行います。

鑑別診断

症状を基に神経根症状を鑑別することが重要です。例えば、L4神経根症は下腿内側の感覚障害を示し、L5神経根症は下腿外側や足背部に影響を及ぼすことがあります。一方、S1神経根症は下肢の外側や足底部に障害を与えます。

検査方法

腰椎症の診断には、X線検査やMRIが効果的です。これにより、椎間板の状態や脊柱管の狭窄具合を判別します。特に神経症状がある場合は、速やかにMRIなどで確認することが推奨されます。

治療

治療は多段階にわたります。まず、消炎鎮痛薬や筋弛緩薬を使用し、症状を軽減します。漢方薬も効果的で、牛車腎気丸などが代表的です。また、場合によってはトリガーポイント注射や神経ブロックを行います。

理学療法や装具療法も重要で、運動療法を通じて腰椎の安定性を向上させます。腰椎牽引や特定の体操（Williams体操など）が推奨される場合もあります。

注意点

特に高齢者の場合、腰痛が必ずしも椎体骨折によるものとは限りませんが、症状が進行する場合には注意が必要です。多くの症例では、手術療法が最終手段として考慮されることもあります。

このように、多様な症状や診断方法がある腰椎症について正しい理解と適切な管理が求められます。

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