膠州 (測量艦)

膠州（こうしゅう）について

膠州は日本海軍の測量艦で、その名称は中国の湾、膠州湾に由来しています。この艦艇は元々、ドイツのホヴァルツヴェルゲ社によって建造され、貨物船ミヒャエル・イェブセンという名を持っていました。

艦歴

第一次世界大戦の渦中、膠州は青島で一旦自沈し、その後1914年11月7日に日本海軍に捕獲されました。1915年には艦艇として浮揚され、8月23日には正式に日本海軍籍に加わり「膠州」と命名されました。当初は運送艦として運用されましたが、後に測量艦として再編成されました。

1921年から北方地域、そして1926年からは南洋方面での測量任務に従事することとなります。

艦艇の運用は順調であり、1922年4月1日には正式に測量艦に類別変更されました。しかし、その後は老齢化が進み、1940年4月1日に除籍され、解体されることになりました。

指揮官の履歴

この艦には多くの艦長が就任しました。以下に主要な指揮官たちを列挙します。

• - 三宅大太郎 中佐（1916年7月1日 - 1916年12月1日）
• - 平岡善之丞 中佐（1916年12月1日 - 1917年12月1日）
• - 田中吉太郎 中佐（1917年12月1日 - 1918年5月31日）
• - 加々良乙比古 中佐（1918年5月31日 - 1918年6月26日）
• - 関干城 中佐（1918年6月26日 - 1918年11月10日）

その後も、膠州には石渡武章、中佐を始め、原道太、中佐が艦長を務めていました。

特務艦長としても多くの艦長が就任し、木村豊樹、中佐や内藤省一、中佐、藤吉晙、中佐などが艦を指揮しました。艦長の数代にわたる指導のもとで、膠州はその任務を全うしました。

膠州の意義

膠州は、日本海軍の中でも特異な存在であり、測量業務を通じて日本の海洋作戦に貢献した艦艇として記憶されています。特に、北方および南洋地域の測量活動は戦略的に重要であり、これらの情報は日本の海上進出に寄与しました。

艦齢を経て解体されるまで、膠州は日本の海洋における役割を果たし続けた艦船でありました。艦の歴史は、第一次世界大戦中の国際情勢の影響を受けたものであることを考えると、その位置付けはより興味深いものとして語り継がれるべきでしょう。

参考文献

膠州の詳細な情報については、以下の文献を参照すると良いでしょう。

• - 片桐大自著『聯合艦隊軍艦銘銘伝』（光人社、1993年）
• - 海軍歴史保存会『日本海軍史』第7巻、第9巻、第10巻（第一法規出版、1995年）
• - 『世界の艦船 増刊第47集 日本海軍特務艦艇史』（海人社、1997年）
• - 防衛庁防衛研修所戦史室『海軍軍戦備<1> 昭和十六年十一月まで』31巻、朝雲新聞社〈戦史叢書〉、1969年。
• - 『官報』

膠州の艦歴は、単なる艦船の物語ではなく、日本海軍の戦略と国際関係を知る手がかりでもあります。

もう一度検索