臧式毅

臧式毅の生涯と業績

臧式毅（ぞう しきき）は中華民国における著名な軍人であり政治家です。彼は北京政府の奉天派に属し、その後満洲国の幹部として重要な役割を果たしました。興味深いことに、彼の字は奉久です。

初期の経歴

臧式毅は1909年に日本に官費留学し、東京振武学校および陸軍士官学校の騎兵科第9期を卒業しました。1911年には一時帰国し、南京で革命派の蜂起に参加しましたが、内部対立に失望し再び日本へ戻りました。1914年に帰国した後、保定陸軍軍官学校で教官として教鞭を執り、歴史的な軍事の道を歩み始めました。

1918年、彼は奉天軍の孫烈臣の配下として活動を本格化させ、1920年には督軍公署の中校参謀に任命されました。そして、1921年には上校参謀兼衛隊団長に昇進しました。1923年には督軍公署の参謀長に就任し、病に倒れた孫烈臣に代わって実務を担当することになります。

張家との関係と奉軍再建

臧式毅は民国12年（1923年）以降、奉天派指導者である張作霖とその息子張学良から高い評価を受けるようになります。1925年には江蘇督弁に任命され、しかしその年の内に奉浙戦争で捕虜となってしまい、約半年後に釈放された後は奉天に再び戻りました。

その後、彼は遼寧省財政庁長に任命され、財政改革に尽力しました。1926年には張作霖の信任を受けて奉軍の留守司令を委任され、1928年には張作霖が爆殺された後に張学良に密かに助言をし、動乱の中でも奉天派の安定を図りました。

満洲国の形成に関連する活動

1931年の満洲事変時、臧式毅は日本との和平交渉を試みましたが、失敗しその後拘禁されました。関東軍による圧力のもと、彼は奉天省長に任命され、遼寧の統治を任されることになりました。この状況下で臧式毅は日本のニーズに応える形で様々な要求に屈服することになるのですが、その過程は彼にとっても苦悩の多いものであったと言えます。

1932年1月、臧式毅は東北行政委員会の委員に任命され、地方の政府からの独立を宣言する重要なステップを踏み出しました。しかし、彼は他の指導者たちと異なり、新しい国家の首班として推されることには抵抗を示しました。これに対して反発もあり、やがて溥儀が一時的な執政に擁立されることになりました。

政権での役割

満洲国成立後の1932年、臧式毅は民政部総長としての地位を得ます。彼は政治的な舞台で重要な役割を果たすことになりますが、1940年には南京国民政府との関係において満洲国の代表として活動しました。臧式毅は様々な役職を歴任しましたが、その多くは実質的には閑職と見なされました。

1945年、彼はソ連軍に拘束され、その後中華人民共和国に引き渡されました。1956年には獄中で亡くなることになりますが、その生涯は多くの歴史的事件に深く関わり、彼が生きた時代の複雑さと激動をよく表しています。

臧式毅の人生は、中国近代史における一つの象徴とも言える存在感を持っており、彼の業績や行動は今なお評価され続けています。

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