臨時南洋群島防備隊

臨時南洋群島防備隊 (りんじなんようぐんとうぼうびたい)

臨時南洋群島防備隊は、1914年12月に設立された日本海軍の根拠地隊です。この部隊は、第一次世界大戦で取得したドイツ領のミクロネシアにおいて、日本の海軍活動を支える役割を果たしました。

設立と役割

設立当初、臨時南洋群島防備隊の司令部はトラック諸島の夏島に置かれました。この部隊は、海軍の基本的な任務だけでなく、占領地域の軍政をも担うという重要な役割を持っていました。具体的には、南洋群島を6つの行政区に分割し、それぞれに守備隊長が配置されると同時に、彼らは軍政庁の長としても機能していました。

軍政から民政へ

1918年には、軍政庁が民政署に改編され、その運営が文官に移行しました。これにより、より文民主導による行政の実現が目指されることとなりました。また、ヴェルサイユ条約の締結によって、南洋群島は日本の委任統治領として正式に認定され、この地域の統治が完全に民間の手に委ねられることとなります。

組織の変遷

1921年には、防備隊の司令部が従属していた民政部門が分離され、パラオのコロール島に移転しました。これは新たな組織への移行に向けた準備として行われました。翌1922年には、南洋庁が確認設置されると同時に、臨時南洋群島防備隊は正式に解散し、軍はこの地域から撤退しました。

歴代の司令官

歴代の司令官は以下の通りです。

• - 松村龍雄 少将（1914年12月28日 - ）
• - 東郷吉太郎 少将（1915年8月6日 - 1916年12月1日）
• - 吉田増次郎 少将（1916年12月1日 - 1917年12月1日）
• - 永田泰次郎 少将（1917年12月1日 - ）
• - 野崎小十郎 少将（1919年12月1日 - 1922年4月1日廃止）

参考文献

臨時南洋群島防備隊についての詳細な情報は、南洋庁長官官房編の『南洋庁施政十年史』（南洋庁、1932年）や、秦郁彦編の『日本陸海軍総合事典』（第2版、東京大学出版会、2005年）などで確認できます。

このように、臨時南洋群島防備隊は日本の海外領土の管理と軍政において重要な役割を果たし、最終的に民政に移行したことで、その歴史に一つの区切りを迎えました。

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