臨時参議院

臨時参議院について

臨時参議院（りんじさんぎいん）は、清王朝末期の辛亥革命によって成立した中華民国における立法機関の一つです。中華民国の誕生に伴い、正式に組織されたこの参議院は、国家機関として立法権を持つ重要な役割を果たしました。法的根拠としては、「臨時政府組織大綱」と「中華民国臨時約法」が挙げられ、これらの法律文書では「参議院」として言及されていますが、区別のため本項目では「臨時参議院」という名称を使用します。

歴史的背景

臨時参議院の成立は、1911年10月10日に武昌起義が発生し、辛亥革命が勃発したことに起因しています。この革命の成功によって、湖北都督府が設立され、以後各省から選ばれた代表者たちが漢口に集まり、11月30日に第1回各省代表会議が開催されました。この会議では、臨時政府組織大綱が議決され、臨時参議院の設立が決定されました。

1912年1月1日、孫文を臨時大総統とする中華民国臨時政府が南京で成立。その後、1月28日には臨時参議院の成立大会が開催され、議長に林森、副議長に王正廷が選ばれました。臨時参議院は成立当初から国家の重要な決定を下す機関として機能することとなりました。

内部の対立と動向

2月13日、南北和平を模索する中で、孫文大総統が臨時参議院に辞表を提出し、後任として袁世凱を推奨しました。これを受けて、15日には臨時参議院が袁世凱を臨時大総統に選出しました。しかし、首都の位置に関して、孫文が南京を維持することを望むのに対し、袁が北京に遷都することを推進したため、事態は対立を生むこととなります。

その後、3月6日には袁世凱を北京で臨時大総統に就任させることが議決され、以降臨時参議院は北京に移転しました。移転後、孫文派と袁世凱派との激しい政争が続く中、臨時参議院は国会組織法や参衆両院議員選挙法を制定し、国政の基盤を整えました。

終焉と影響

1913年、臨時参議院は新たな国会の組織に向けた衆参両院選挙を始め、4月8日には正式に廃止されました。この臨時参議院の活動は中華民国初期の政治的変革を象徴するものであり、その後の国会制度に大きな影響を与えました。将来的には、政党政治の基盤を形成する要素となり、各派による政争を背景にした複雑な政治情勢が展開されることとなります。

臨時参議院の設立から廃止に至るまでのプロセスは、辛亥革命後の中国の政治情勢を理解する上で重要な視点を提供しており、今なお歴史的な意義を有し続けています。

もう一度検索