臨時台湾鉄道隊

臨時台湾鉄道隊について

臨時台湾鉄道隊（りんじたいわんてつどうたい、旧字体：臨時臺灣鐵道隊）は、日本の占領下にあった台湾で、鉄道の運営や管理を担当するために設立された組織です。チームのメンバーは、日本の陸軍省と逓信省から派遣された職員で構成されており、当時の状況を反映した貴重な時代の証でもあります。

設立の経緯

臨時台湾鉄道隊は1895年8月25日に設立されましたが、その背景には日本の陸軍大臣が出した「臨時鉄道隊勤務令」があります。初代隊長には山根武亮が就任し、彼は1895年9月17日に台湾に到着しました。そして、台湾総督府民政局逓信部鉄道課を引き継ぐ形で、その業務を継続しました。従来、その職務を担っていた台湾鉄道線区司令部は1895年9月24日に解体され、山根隊長は当初台北駅近くの民家を本部とし、後に11月28日には新たに設立された事務所に移転しました。

業務内容と取り組み

臨時台湾鉄道隊の設立後、主に軍事輸送をはじめ、基隆から台北への鉄道路線の改修、そして新竹以南の延伸計画や縦貫線の調査など、多岐にわたる業務を実施しました。また、1896年7月5日には、軍事輸送に支障がなければ一般人にも鉄道の利用を認めるという制度も導入されました。この施策は、台湾鉄道の利用促進だけでなく、地域の発展にも寄与したと考えられています。

終焉とその後

台湾の縦貫鉄道は、1896年に設立された台湾鉄道会社によって建設されることが決定されたため、臨時台湾鉄道隊は1897年3月31日をもって活動を停止しました。その翌日からは台湾総督府民政局通信部臨時鉄道掛に業務が委譲され、山根隊長は4月22日、台湾を離れることとなります。最後に臨時台湾鉄道隊は1897年9月末に正式に解散しました。

編制と組織

臨時台湾鉄道隊は、本部、鉄道班、軽便鉄道班の三部門から成り立っていました。鉄道班は、さらに保線掛、車両掛、運輸掛、計理掛に分かれており、それぞれの役割を果たしていました。

• - 本部: 組織の統括を行い、工事や運輸の進捗を監視し、ルートや輸送物の管理を担当しました。
• - 鉄道班: 特に鉄道網の整備や運営を担った部門で、以下のように分かれています。

- 保線掛: 鉄道路線の建設、改造、保守のほか、通信設備の管理も行いました。
- 車両掛: 鉄道車両にかかわる全般の管理を行い、特に1896年のオフィス移転時には台北駅に留まりました。
- 運輸掛: 列車のダイヤや通信手続きに関する業務を担当。
- 計理掛: 経理業務、資材調達や配分に関わる役割を果たしました。

• - 軽便鉄道班: この班は班長や職工、軍役夫からなる兵力で、合計2221人が在籍しました。

臨時台湾鉄道隊は、台湾の鉄道網の建設に貢献しただけでなく、その後の台湾における輸送システムの基盤を築いたとも言えます。その存在は、今日の鉄道網にもその影響が見受けられます。

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