臨時的採用教員

臨時的採用教員について

臨時的採用教員（りんじてきさいようきょういん）とは、日本の小中高等学校において特定の期間のみ任用される教員のことを指します。この職に就くには、相応の教員免許状が必須です。国公立学校では「採用」という表現が適用されず、「任用」という形式をとるため、正式には「臨時的任用職員」となります。このため、略称として「臨採」や「臨時教員」、「地公臨」などの呼称が一般的です。

概要

臨時的採用教員の主な役割は、既存の教員が産休や病休を取得する際など、一時的な欠員を埋めることです。多くの場合、教員免許を持ちながら教員採用試験に不合格だった人が、この職に就くことが一般的です。近年では、経済的な理由から教員の数が不足していることが問題視され、いわゆる「定数内臨時教員」として、本来の教員の数を補う役割を担うことも増えています。

臨時的採用教員は常勤職であるため、同じ職務に従事する正規教員と同等の責任を負っています。このため、授業担当や部活動の顧問など、さまざまな学校業務において正規教員と同様の職責を果たすことが求められます。しかし、実際には地域ごとに任用条件やその期間に違いがあり、時には所定の任用期間を超えて任用されるケースも見受けられます。

一方で、臨時的な任用には身分保障が不十分であるという問題もあります。任用期間が設定されているため、長期間勤務しても期間が終了するごとに勤続年数がリセットされ、退職金算定の基準に影響が出ることが考えられます。そうした中で、臨時的採用教員の経験がある場合、正規の教員採用試験での年齢制限が撤廃される地域もあり、一定の道が開かれていることも事実です。

任用方法

臨時的採用教員の任用には、任命権者である都道府県や政令指定都市の教育委員会が関与します。教員免許を保有することが前提で、教育事務所や教育委員会に登録されている者の中から、校舎の要望に基づいて面接を通じて任用されることが多いです。また、別途任用試験を経て採用されるケースも存在します。

空白の一日問題

臨時的任用職員は、地方公務員法第22条により、その任用期間が「6ヶ月以内、更新1回（6ヶ月以内）」と定められています。この定めにより、次年度からの任用が確定している場合でも、任期を終えた後に数日間の空白期間が求められることになります。このため、3月30日を最終任期とし、31日を「空白の一日」と呼ぶ慣習が生まれています。この期間は、社会保険や年金の対象外となることが多いため、教職員組合はこの点を問題視し、交渉を進めてきました。2014年1月において、厚生労働省からの通知により、一定期間空白があっても、勤務実態に基づいて保険や年金の継続が認められることが進展としてありましたが、任用切れの期間自体を完全に解消するには至っていません。

関連作品

臨時的採用教員をテーマにした映像作品も存在し、「サンキュー先生」や「ハガネの女」シリーズが代表的です。これらの作品は、実際の教員の経験や日常生活を描き出すことで、一般の人々に臨時的採用教員の実態を伝える役割を果たしています。

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