自共共闘

自共共闘（じきょうきょうとう）について

自共共闘とは、自由民主党（以下、自民党）と日本共産党（以下、共産党）の間で見られる特殊な共闘関係を指します。この現象は選挙運動や政権運営の場面で確認され、地域によって異なる観察結果が見られます。特に、岩手県や大阪府などでは非自民・非共産の勢力が強く、自民党が相対的に弱い状況において、両党の協力が形成されることが多いです。

概要

自民党と共産党の政策には大きな隔たりがありますので、通常、連立政権や政策合意は成立しにくいのが現実です。また、地方自治体においても、共産党を排除したオール与党体制が常態化する傾向があります。歴史的に見ても、55年体制下での京都市長舩橋求己や神戸市長宮崎辰雄のように、自民と共産を含む他党が協力し合った事例は非常に少ないのです。

2000年代以降も、自民党と民主党の競争が前面に出てくる中、共産党は独自候補を立てることがほとんどで、他党との共闘は稀でした。しかし、2016年以降、民共共闘が広まり、立憲民主党や社会民主党等といった他の政党との協力が進んでいます。

地方政界におけるユニークな現象として、自民党と共産党が共闘するケースが散発的に現れています。一例を挙げると、1995年の高松市の市長選挙において、助役が異例の自共共闘の結果として当選しました。

各地域の実例

岩手県

岩手県では、2003年の陸前高田市長選挙が特に注目されます。この選挙では、共産党所属の中里長門が自民党系の爽風会の支援を受けて勝ち、現職の菅野俊吾を破って当選しました。中里はその後も二期市長を務めましたが、無所属での候補出馬が特徴でした。この選挙は「反小沢」の旗印を掲げた自共共闘として話題になりました。また、2014年の花巻市長選挙でも、共産党の支援を得た上田東一が当選するなど、地域によって共闘の事例が見られます。

長野県

長野県の2005年佐久市長選には、吉岡攻が自民・共産の推薦を受けて出馬しました。しかし、結果は落選に終わりました。当時の長野県では無党派の支持が重要視されていたため、共産党が支持する形が生まれたと言えます。

和歌山県

和歌山県では、元毎日新聞記者の大橋建一が2002年の市長選に自民・共産の推薦で当選しました。この市長選は前市長のスキャンダルに端を発していますが、大橋は大差をつけて勝利を収めました。

大阪府

2010年代以降、大阪府においては日本維新の会の台頭により、自民党と共産党の共闘が増える傾向にあります。2011年の大阪市長選では、共産党が現職の平松邦夫を支援し、維新の会の橋下徹と対決しました。この選挙が「既存政党」と「新興勢力」の対立を象徴する結果となりました。2013年の堺市長選でも同様に共闘の事例が見られ、反維新候補の支援が共鳴しました。

愛知県

愛知県では2017年名古屋市長選で、地域政党減税日本の河村たかしが、自民・民進・共産党の支持を受けて立候補し当選しています。このように、異なる政党が共闘する事例が続けられ、時間とともにその形態も多様化しています。

結論

自共共闘は、地域の事情や選挙戦の状況によって成立する複雑な現象であり、各地域の政治文化や有権者の心理が深く影響しています。今後もこの関係は注視する必要があるでしょう。

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