自動車排出ガス試験結果証明書

自動車排出ガス試験結果証明書（ガスレポ）と排出ガス同型レポート

排気ガス規制と適合証明

日本の道路を走行する自動車は、ナンバープレート交付時に定められた排ガス基準に適合している必要があります。軽自動車、二輪車、普通車、特殊自動車など、原動機を持つ車両全てに適用されます。しかし、純正部品を社外品に交換した場合、元の排ガス基準への適合性が保証されなくなるため、適合を証明する書類が必要となります。それが、本記事で解説する「自動車排出ガス試験結果証明書（ガスレポ）」と「排出ガス同型レポート（同型成績表）」です。

ガスレポは、主に国内で純正部品を社外品に交換した車両の排ガス性能を証明する書類です。例えば、燃料噴射装置や触媒コンバーターを社外品に交換した場合などに必要となります。一方、排出ガス同型レポートは、主に並行輸入車の排ガス適合を証明するために用いられます。正規輸入車とは異なり、並行輸入車は日本の排ガス規制に最初から適合しているとは限らないため、このレポートで適合性を確認する必要があるのです。

排出ガス同型レポートの詳細

排出ガス同型レポートは、並行輸入車の排ガスと加速走行騒音の試験結果を記載した書類です。通常、排ガス試験は10台、加速騒音試験は30台までを対象に発行されます。レポートには、製造年によって異なる適用数値が記載されており、昭和53年度、平成12年度、平成17年度、平成21年度の区分があります。ディーゼル車にも適用され、総重量3500kgを超える車両の場合は、ブレーキ性能試験の成績表である「ブレーキレポート」も必要となる場合があります。

ガスレポが必要となるケース

ガスレポが必要となるケースは様々です。例えば、以下の様な場合が挙げられます。

燃料噴射装置（フューエルインジェクション）の車両をキャブレターに変更した場合
純正キャブレターを社外キャブレターに変更した場合
キャブレター仕様の車両に触媒コンバーターを後付けした場合
純正触媒コンバーターを社外のスポーツ触媒に変更した場合

法的な取扱いと車検

ガスレポの必要性は、車両の種類や登録状況によって異なります。二輪車の場合、平成11年以降の排出ガス規制対象車種では、触媒やマフラーを交換した後の車検で提示が求められます。ガスレポ（同型レポート）と車検証の車両型式およびエンジン型式は一致する必要があり、発行を受けた車両は車検時に提示しなければなりません。排出ガス同型レポートの場合、車検時の排ガス試験において車両所有者の名義が同一であること、そして車両仕様（触媒の有無など）も同一であることが求められます。

書類の発行と費用

ガスレポと同型レポートのいずれも、試験機関に車両を持ち込み、現車検査を受けることで発行されます。しかし、触媒などの劣化により、基準を満たさなくなる可能性があるため、これらの書類を保有していることが、車検の合格を必ずしも保証するものではありません。排ガス検査費用は高額であり、再検査を含めて一度に2回までしか検査を行うことができません。特に同型レポートは発行枚数が限られる傾向があり、再発行費用も高額です。ガスレポの再発行費用は3000円程度ですが、同型レポートは5～30万円程度かかることもあります。

まとめ

自動車の排ガス適合を証明するガスレポと排出ガス同型レポートは、社外品交換車や並行輸入車にとって重要な書類です。車検を受ける際には、これらの書類の有無、内容、費用などについて十分に理解しておく必要があります。また、書類の取得には費用と時間がかかることを念頭に置いておくべきでしょう。 車検を通過するためには、車両の状態を良好に保つことも重要です。

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