自動車警ら隊

自動車警ら隊について

自動車警ら隊（じどうしゃけいらたい、英語表記：Mobile Patrol Unit）は、日本の都道府県警察本部に所属する組織で、パトカーを使った広範な警 patrol（パトロール）を主な任務としています。この隊は、各警察署の管轄区域を超えて都道府県全域を巡回し、犯罪の予防と捜査を行います。特に職務質問などを通じて不審者の摘発や緊急対応を担当します。

自動車警ら隊は、時に「自ら隊」とも略されており、テレビ番組『警察24時』などでもその活動が取り上げられています。全国の一部警察本部では、同様の役割を持ちながら別の名称（例えば、宮城県警察では「機動警ら隊」）が与えられている場合もあります。

自動車警ら隊の歴史

自動車警ら隊の発足は1947年に遡り、当時の連合国軍最高司令官総司令部から警視庁に対して外勤警察のパトロール制度について提案がありました。これを受けて警視庁は初めて自動車による警邏を試行しました。この試みは予想を超える防犯効果を上げたため、さらに多くの地域に拡大していきます。

1950年には「警視庁自動車警ら隊暫定運用要綱」が制定され、正式に自動車警ら隊が発足しました。また、全国の都道府県警察でも無線自動車による警邏制度が導入されました。

自動車警ら隊の組織構成

自動車警ら隊は多くの都道府県で地域部（旧・警ら部）または生活安全部に属しています。隊長は通常、警視、副隊長は警視または警部によって構成されています。各地域ごとに隊の編成や任務が異なります。例えば、北海道警察では札幌市とその周辺を担当し、宮城県警察では機動警ら隊が音楽隊も兼任しています。また、新潟県警察は地域密着型の警邏を重視し、自動車警ら隊の廃止を決定しました。

任務と活動内容

自動車警ら隊の主な任務は、パトカーによるパトロール、不審者や不審車両への職務質問、さらには事件現場への初動対応です。隊員は職務質問の技術に優れたプロフェッショナルであり、経験豊富な者が多く在籍しています。パトカーを用いた活動を通じて、交通違反の取り締まりも行いますが、主眼は凶悪犯罪の予防と早期発見にあります。

繁華街や治安が懸念される地域では、パトカーの目に留まりがちな不審者の行動を観察し、不審車両に対する職務質問を積極的に実施します。また、職務質問を通じた所持品検査により、違法薬物や凶器、指名手配犯の発見など、犯罪予防に貢献しています。

装備と課題

自動車警ら隊の車両は、現在ほとんどがトヨタ・クラウンや大型のSUV（例えば日産・エクストレイル）で構成されています。特に体当たりから隊員と車両を保護するために、SUVの導入が進められています。また、発砲事件に備えて防弾装備が整えられ、必要に応じて迅速に対応できる体制が整っています。

自動車警ら隊は全国の警察機関の中でも重要な役割を果たしており、地域の安全を守るために日々奮闘しています。これからも時代の変化に応じて、その活動や装備の充実が求められていくことでしょう。

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