自然環境保全基礎調査

自然環境保全基礎調査について

自然環境保全基礎調査（しぜんかんきょうほぜんきそちょうさ）は、1973年度から約5年ごとに行われる日本の自然環境に関する調査です。この調査は、自然環境保全法に基づき、国の政策に必要な基礎資料を提供することを目的としており、その結果は報告書や地図で公開され、幅広く使用されています。

調査内容と目的

調査の目的は、日本の自然環境の現況やその変化を科学的に把握することです。これにより、自然保護が必要な地域や生物を明確にし、効率的な保護施策を立案するための基盤を築くことが期待されています。調査対象には、植生調査、特定の植物群落調査、動植物の分布調査、河川や湖沼、湿地、さらには海岸や干潟、サンゴ礁に至るまで、多岐にわたります。

調査の歴史と進化

この基礎調査は、1973年に環境庁によって初回が実施されました。当時、日本各地で進行する土地の大規模な改変に対応するため、自然環境の保護施策をどこに重点を置くべきかを明らかにするために行われました。最初の調査は、急速な国土の変化を反映し、自然環境を評価する初の試みとして重要な意義を持っていました。

その後、1980年代や90年代にかけての調査では、自然環境に関する情報収集がさらに広がり、動植物の全種調査や居住地周辺の自然に関する調査も行われるようになりました。特に、第3回から第5回の調査では、調査の対象を拡大し、一般市民の協力を得ることで、地域の自然環境に関する詳細なデータが集められました。

最新の調査と新たな取り組み

最近の調査では、GIS（地理情報システム）を用いたデータ収集や、衛星画像を活用した植生の把握が進められています。また、特定の動植物を対象とした調査も続けられ、外来種や絶滅危惧種の生息状況の確認を行い、生態系の多様性に関する情報が収集されています。

これらの調査結果は、環境保全に携わる行政機関や研究者にとって貴重な情報源となり、政策立案や自然保護施策の強化に繋がっています。また、一般市民にも公開されることで、環境問題についての意識向上にも寄与しています。

まとめ

自然環境保全基礎調査は、日本の豊かな自然環境を守るための重要な基盤を支える役割を果たしています。調査は継続的に行われており、時代の変化とともにその内容も進化しながら自然環境の現況を正確に反映し続けています。このように、調査結果は直接的な環境政策だけでなく、未来の世代にとっても持続可能な社会の実現に貢献するものとなっているのです。

もう一度検索