自由 (女子十二楽坊の曲)

「自由」（じゆう）は、中国の女性器楽合奏団である女子十二楽坊が演奏する代表的な楽曲の一つです。日本の音楽リスナーにも彼女たちの名を知らしめるきっかけとなった重要な楽曲として位置づけられています。

この楽曲の根源は、19世紀後半から20世紀初頭にかけてトルコで活躍した著名な作曲家、サントゥーリー・エトヘム・エフェンディ（Santûrî Ethem Efendi、1855-1926年9月14日）が作曲した「シェヘナーズ・ロンガ（Şehnaz Longa）」という古典的な楽曲にあります。女子十二楽坊のために、この原曲に現代的なアレンジを施したのは、編曲家の梁剣峰です。彼の編曲により、西洋と東洋の楽器が融合した女子十二楽坊独自のサウンドで、このトルコの古典が新たな生命を得ました。

「自由」が初めて公式に発表されたのは、2001年に中国でリリースされた女子十二楽坊のデビューアルバム『魅力音楽会』においてです。しかし、特に日本での知名度を確立したのは、2003年7月24日に発売され、大ヒットを記録した日本でのデビューアルバム『女子十二楽坊 〜Beautiful Energy〜』に収録されたことによります。このアルバムがミリオンセラーとなったことで、「自由」もまた多くの人々に聴かれる機会を得ました。以降、この楽曲は女子十二楽坊がリリースした数多くの後続アルバムにも継続的に収録され続けており、グループの定番曲としての地位を確立しています。

一点補足として、『女子十二楽坊 〜Beautiful Energy〜』のアルバムに添付されたライナーノーツには、この楽曲の作者が不明であるかのような表記が見られましたが、これは誤りであり、実際には前述のサントゥーリー・エトヘム・エフェンディが作曲したことが明らかになっています。

日本国内において、「自由」は特にメディアとのタイアップ戦略によって広く浸透しました。テレビ番組のエンディングテーマや、大手企業のコマーシャルソングとして頻繁に起用されたのです。具体的には、以下の番組やCMで使用されました。

フジテレビ系列のバラエティ番組「ウチくる!?」エンディングテーマ
テレビ西日本が放送した「平成15年度高校柔剣道大会金鷲旗・玉竜旗」テーマソング
京都放送のホラードラマ「恐怖夜話」エンディングテーマ
NTTドコモの携帯電話「N505iS」テレビCMソング

これらのタイアップにより、「自由」のメロディーは多くの日本の視聴者・消費者の耳に届き、女子十二楽坊の音楽への関心を高める一因となりました。トルコの古典音楽にルーツを持つこの楽曲が、海を越えて日本の多様なメディアで使用され、人気を博したことは特筆すべきでしょう。

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