N505iS

NEC N505iS：進化したmova端末

2003年冬にNTTドコモから発売されたNEC製のmova端末N505iSは、前機種N505iをベースに、カメラ機能や音声機能を大幅に向上させたモデルです。N505iのデザインを踏襲しながら、カメラ性能の大幅な強化が図られています。

カメラ機能の進化

N505iシリーズにおいて、N505iとP505iは30万画素カメラを搭載していましたが、N505iSはNECのmova端末として初めて130万画素カメラを搭載しました。これは当時としては高画質で、より鮮明な写真撮影を可能にしました。さらに、接写モード用のスイッチが追加されたことで、マクロ撮影が容易になり、専用レンズの必要が無くなりました。

充実の音声機能

N505iと同様、背面のサブディスプレイの下にステレオスピーカーを搭載し、「サラウンド機能」により臨場感あふれるサウンドを実現しています。さらに、miniSDメモリーカードへの音声録音機能も搭載し、最大5時間分の音声データを保存することができました。これは、ボイスレコーダーとして活用できる便利な機能でした。

ユーザーインターフェース

N505iSは、「ツインウインドウ機能」を搭載しており、メインディスプレイを2分割して、同時に複数の情報を表示することができました。これは、マルチタスク的な利用を可能にし、利便性を向上させる要素でした。また、内蔵コンテンツとしてディズニーキャラクターを採用するなど、ユーザーを楽しませる工夫も凝らされていました。

デザインの特徴

NECの50Xシリーズ折りたたみ携帯電話は、1999年のiモード対応端末N501iから、アンテナを端末の先端に配置する特徴的なデザインが継続されていました。他社がアンテナをヒンジ部に移動させる中、このデザインはN505iSまで維持されました。しかし、後継機種のN506iでは回転2軸型を採用しヒンジ部にアンテナが配置され、FOMA端末N900iではアンテナが内蔵されたため、N505iSはNECのこのデザインを採用した最後の機種となりました。

マーケティング

N505iSのテレビCMでは、中国の音楽ユニット「女子十二楽坊」を起用しました。CM楽曲には女子十二楽坊の楽曲が使用され、インストゥルメンタル楽曲がCMに起用されたのは当時としては珍しいケースでした。

歴史

2003年10月21日：NTTドコモがN505iSを含むmova新機種を発表
2003年12月10日：N505iS発売開始
* 2012年3月31日：movaサービス終了に伴い、N505iSは使用できなくなる

まとめ

N505iSは、高画質カメラ、充実の音声機能、便利なユーザーインターフェース、そして個性的なデザインを兼ね備えた、mova時代の代表的な端末の一つと言えるでしょう。その特徴的なデザインと機能は、多くのユーザーに愛され、movaサービス終了後も、多くの記憶に残る機種となりました。

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