自由の日 (映画)

自由の日 — 我らの国防軍

『自由の日』（じゆうのひ）、あるいは『自由の日! – 我らの国防軍』は、レニ・リーフェンシュタールが監督した三作目のドキュメンタリー映画です。この作品は、1935年のナチ党党大会、第7回ナチ党大会をテーマに制作されており、特にドイツ国防軍に焦点を当てた内容となっています。映画の創作背景においては、リーフェンシュタールの前作『意志の勝利』（1934年）での描写が最小限であったことから、国防軍の高官たちからの不満が寄せられ、これが『自由の日』製作の契機となりました。

映画の内容

『自由の日』は、1935年のある特別な式典を記録しており、その舞台はニュルンベルクです。この式典は軍隊の記念日を祝うもので、多数の兵士、兵器、さらには迫力ある模擬戦闘が繰り広げられました。映画は、早朝にテントで準備する兵士たちの姿から始まり、彼らの歌声と共に行進する様子を捉えています。

観客の前では、歩兵や騎兵、さらには航空機、対空火器が集結し、新型の秘密戦車（I号戦車）も初めて姿を見せました。これらの様子は、印象深いミニチュアの戦闘として構成され、ヒトラーや数多くの観衆を前に披露されます。また、映画の最後には、ナチスの旗の映像が流れる中、「ドイツの歌」に合わせて複葉戦闘機が鉤十字の形になるフィナーレが演出されています。

リーフェンシュタールの芸術性

リーフェンシュタールは、彼女自身の芸術性を追求し、『意志の勝利』の際に提案された軍将軍たちの名をカメラで順番に映し出す案を拒否しました。このようにして、彼女は自らの映像表現に集中し、国防軍を主題にした『自由の日』の制作を進めることに決定しました。その結果、この映画は戦争の美学を表現する上で独自の手法を与え、後に『オリンピア』（1938年）における大胆な表現方法の先駆けともなったのです。

作品の再発見

『自由の日』は、第二次世界大戦が終結するまでの間、失われた映画と見なされていました。しかし1970年代に、不完全なプリントが見つかり、それによってリーフェンシュタールの独特な技法が再評価されることとなります。これにより、作品には豊かな表現主義的要素が盛り込まれていたことが明らかになり、彼女の映像的才能が改めて認識されるようになりました。

このように『自由の日』は、ナチス時代の映画史における重要な一作として今なお語り継がれています。リーフェンシュタールの手法や映像美は、観る者に強い印象を与え、その背後にある政治的なメッセージと相まって、非常に興味深い作品に仕上がっています。

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