自由ソフトウェアの定義

自由ソフトウェアの定義

自由ソフトウェアの定義は、リチャード・ストールマンによって起草され、フリーソフトウェア財団（FSF）によって公開された、自由ソフトウェアを明確に定義する文書です。この定義は、ソフトウェアの利用者が持つべき自由を規定し、ソフトウェアがどのように利用されるべきかの原則を示しています。最も初期の定義は、1986年2月にFSFが発行したGNU's Bulletinに掲載されました。現在では、42の言語に翻訳され、世界中で参照されています。FSFは、この定義に合致するソフトウェアライセンスのリストも公開しています。

定義

自由ソフトウェアの定義は、ソフトウェアの自由に関する最も初期の定義の一つです。初期の定義は、以下の2つの要点を含んでいました。

「フリー」とは値段ではなく自由である：ソフトウェアの自由な利用、配布、改変を指します。
プログラムをコントロールする自由：プログラムが利用者をコントロールするのではなく、利用者がプログラムをコントロールするべきです。そのためには、ソースコードへのアクセスが不可欠です。

現在の定義では、以下の4つの必須の自由が定められています。

第零の自由：どのような目的であれ、プログラムを実行する自由。
第一の自由：プログラムの動作を研究し、必要に応じて改変する自由。この自由のためには、ソースコードへのアクセスが必要です。
第二の自由：プログラムのコピーを再配布する自由。他の人を助けることができます。
第三の自由：プログラムを改変したものを配布する自由。変更がコミュニティ全体の利益となる機会を提供します。この自由のためにも、ソースコードへのアクセスが必要です。

歴史

リチャード・ストールマンは、1986年頃には既に「自由ソフトウェアの定義」を文書化していたとされています。初期の定義は、GNU's Bulletinの最初の号に掲載されましたが、後の定義とは内容が異なっていました。FSFの代表であるストールマンは、当初Debianフリー[[ソフトウェアガイドライン]]を自由ソフトウェアの定義として認めていましたが、Debianのガイドラインとオープンソースの定義が類似していたため、自由ソフトウェアをオープンソースと区別する必要性を感じ、独自の定義を推進するようになりました。

また、第零の自由は後に追加されたものであり、プログラムを実行できることが最も重要であるという考えから、先頭に置かれました。

関連項目

自由ソフトウェア
自由ソフトウェアライセンス
フリーソフトウェア財団
オープンソースの定義
GNU宣言
Debianフリー[[ソフトウェアガイドライン]]

外部リンク

自由ソフトウェアの定義（日本語訳）：FSFによる日本語訳
GNU's Bulletin, volume 1, number 1：1986年のドキュメント
脚注のつけられた自由ソフトウェアの定義：Free Software Foundation Europeによる
なぜ、オープンソースは自由ソフトウェアの的を外すのか：リチャード・ストールマンによる記事

この定義は、ソフトウェアの自由な利用、共有、改変を促進し、ユーザーがソフトウェアをコントロールできるようにするための重要な原則を提供しています。ソフトウェアの利用者は、これらの自由を理解し、尊重することで、より健全なソフトウェア開発と利用の文化を築くことができます。

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