自由時報

自由時報について

自由時報（じゆうじほう、Liberty Times）は、中華民国（台湾）で発行されている主要な新聞の一つです。現在では台湾国内で最も発行部数の多い新聞社として知られており、その影響力は非常に大きいと言えるでしょう。1980年4月17日に設立され、創設者は台湾の不動産王として知られる林榮三（リン・ロンサン）です。現在の発行人は呉阿明（ゴ・アメイ）氏が務めています。

スローガンと政治的立場

自由時報のスローガンは「台湾優先、自由第一」です。このスローガンが示すように、同紙は台湾の立場を強く支持し、台湾の利益を優先する報道姿勢を貫いています。

台湾の主要な新聞には、他に中国時報と聯合報がありますが、これらの新聞が中国寄りの姿勢や泛藍（国民党支持）の路線を取るのに対し、自由時報は台湾本土派の立場を明確にしています。このため、多くの泛緑（民進党支持）の読者から支持されており、台湾の政治情勢を語る上で欠かせない存在です。

歴史

自由時報の歴史は、その前身である「台東導報」の創刊まで遡ります。1946年12月12日に創刊された台東導報は、その後、経営状況の悪化により「台東新報」に改題されましたが、1950年には一旦休刊となります。その後、復刊と廃刊を繰り返し、「遠東日報」「自強日報」と名前を変えながら、1980年に現在の自由時報へと生まれ変わりました。

1980年4月17日、聯邦グループが自強日報を買収し、1981年1月1日に「自由日報」として中部地区の地方新聞として再出発しました。その後、1987年に「自由時報」に改名し、全国展開の新聞へと発展。1989年には本社を台北市に移転し、現在に至ります。

創業者：林榮三について

自由時報の創業者である林榮三は、1939年台北縣蘆洲郷水河村の生まれです。彼は自由時報だけでなく、英字新聞「タイペイ・タイムズ」も発行しており、不動産事業でも成功を収めました。フォーブスの長者番付によると、彼は台湾で6番目の富豪として知られています。

エピソード

2021年6月には、香港の新聞『蘋果日報』が香港国家安全維持法により廃刊に追い込まれた際、自由時報の編集局長である鄒景雯（ソウ・ケイブン）氏は、『蘋果日報』を擁護し、中国政府を強く批判しました。鄒氏は、中国政府の弾圧を「封建王朝的支配」と非難し、民主主義国家が連携して中国に対抗する必要性を訴えました。

さらに、同年7月には、中国の陝西省宝鶏市の政法委員会が、台湾有事の際に日本を核攻撃するという動画を公開したことに対し、自由時報は「喪心病狂（きちがい）」と強く非難しました。この件は、中国の拡張主義的な姿勢に対する自由時報の警戒心を浮き彫りにしました。

まとめ

自由時報は、台湾の言論の自由を代表する新聞社の一つとして、その役割を果たしています。台湾の政治情勢や国際関係に関する報道においては、常に注目すべき情報源と言えるでしょう。また、創業者である林榮三の経営手腕や、報道における強い姿勢も注目に値します。



関連項目

タイペイ・タイムズ
新聞
台湾の新聞の一覧
泛緑連盟


外部リンク

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