自由民主党税制調査会

自由民主党税制調査会について

自由民主党税制調査会（通称自民税調）は、自民党内に存在する税制に関する審議機関です。この機関は1956年に「税制改革特別委員会」として設立され、1959年に現在の名称に変更されました。設立当初、自民税調はそれほどの影響力を持たない組織でしたが、時と共にその役割は大きく変わっていきました。

初期の自民税調の状況

当初の自民税調は、党内の一組織として政府の税制調査会に対抗する立場ではありませんでした。政府税制調査会が税に関する最高の意思決定機関とされており、自民税調は基本的に調査情報の収集を行うだけの役割でした。しかし、1970年代に入ると自民税調は次第にその影響を強め、特に1971年の道路特定財源に関する自動車重量税の創設や、1973年の個人事業主向け給与所得控除制度の実現など、税制改革において主導的役割を果たすようになりました。

自民税調の権威の高まり

1973年には第一次オイルショックによって経済状況が大きく変化し、予算配分が困難になる中で、自民税調は減税や税収確保のための増税といった調整役としての必要性が高まりました。この状況下で、自民税調への信頼と権威が一層強まったのです。こうした背景の中、1980年代にかけて、一部の税調幹部による非公式な会議が行われ、事実上の税制決定がこのインナーと呼ばれるグループによって進められました。

インナーによる支配とその後

インナーと称されるこの幹部グループ（例えば山中貞則や村山達雄など）は、税制問題に関連する複雑な利害関係を調整するために、慎重な判断を行っていたことがわかります。彼らは党内での多数決の決定を避け、専門的な知識を持つ権威者が裁定していたため、その影響力は非常に強大でした。しかし、長老たちが相次いで引退や死亡を迎えると、このような独立性は徐々に薄れ、2003年には小泉総裁による改革が試みられるものの、非公式会議はすぐに復活しました。

現在の自民税調の状況

自民税調は、年末には業界団体等から税制についての要望をまとめた「税制改正要望一覧表」を作成し、国会議員との意見交換を行うという慣習があります。2006年には、官邸主導に変更され、本間正明が政府税調の会長に選出され、会議の場所も内閣府に移されました。近年では、2007年の民主党政権樹立後、民主党や公明党も税制調査会を持つようになり、影響力のバランスが変わりました。

2011年、野田内閣では民主党税制調査会が復活し、自民党の政権復帰後、2013年に有識者会議としての政府税制調査会が復活しました。現在、自民党税制調査会の会長は宮澤洋一氏が務めており、彼を含む多くの歴代会長には山中貞則や塩川正十郎など、大蔵省出身の重要な人物が名を連ねています。税制調査会は、政策立案における重要な役割を持ちながら、今後もその動向が注目されることでしょう。

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