本間正明

本間正明について

本間正明は、1944年生まれの日本の経済学者で、公共経済学を専門としています。北海道出身で、大阪大学で経済学の博士号を取得後、同大学の教授や副学長を経て、現在は近畿大学の世界経済研究所所長兼教授を務めています。

経歴と役職

本間氏は、経済学者としての活動に加え、政府や地方公共団体の様々な役職を歴任しています。2006年には政府税制調査会会長を務めましたが、短期間で辞任しました。その他、関西社会経済研究所所長、大阪市都市経営諮問会議座長、大阪府特別顧問などを務めました。これらの経験から、政策立案にも深く関わってきました。

研究と政策への関与

本間氏の研究は、サプライサイド経済学の視点に基づいています。この理論は、供給側の活動を刺激することで経済成長を促進するという考え方です。また、政府や財務省とのコネクションを持ち、政府や地方公共団体の民間委員としても活動し、政策立案に影響を与えてきました。

人物像と論争

本間氏は、竹中平蔵、大田弘子両元経済財政担当大臣と親交が深く、政界にも強い影響力を持つ人物として知られています。しかし、経済財政諮問会議の議員時代には、原宿の国家公務員官舎を相場よりも大幅に安い家賃で借りていたことが報道され、批判を浴びました。

さらに、週刊誌による愛人報道も、本間氏の評判に大きな影響を与えました。報道後、本間氏は記者会見で釈明を行いましたが、これらの問題がきっかけとなり、政府税制調査会会長を辞任することになりました。

主な著作

本間氏は、多数の著作を発表しており、その研究成果は広く評価されています。主な著作としては、『租税の経済理論』(1982年、日経・経済図書文化賞受賞)、『財政』(1988年)、『税制改革の実証分析』(1989年)などがあります。これらの著作は、公共経済学の分野における重要な文献として、現在でも多くの研究者に参照されています。その他にも、『日本型市場システムの解明』や『フィラン・ソロピーの社会経済学』など、幅広いテーマで著作活動を行っています。

その他の活動

本間氏は、経済学者としての活動以外にも、ボランティア活動やNPO活動にも関心を寄せ、『ボランティア革命』や『NPOの可能性』といった著作も発表しています。社会貢献活動にも積極的に取り組む姿勢を示しています。

結論

本間正明は、公共経済学の分野で顕著な業績を上げている経済学者である一方、そのキャリアの中で論争やスキャンダルも経験しました。彼の研究と政策への関与は、日本の経済政策に大きな影響を与え続けています。また、彼の著作は、学術界だけでなく、広く社会に影響を与えています。

主な経歴

1944年: 北海道生まれ
1967年: 大阪大学経済学部卒業
1973年: 大阪大学大学院博士課程中途退学、大阪大学経済学部助手
1976年: 大阪大学経済学部助教授
1979年: ウォーリック大学客員教授
1983年: 大阪大学より経済学博士の学位を取得
1985年: 大阪大学経済学部教授
1987年: 大蔵省財政金融研究所主任研究官
1993年: ロンドン大学STICERD客員研究員
1994年: 大阪大学大学院国際公共政策研究科教授
1997年: 大阪大学経済学部長
1998年: 大阪大学副学長
2000年: 大阪大学大学院経済学研究科教授
2001年: 経済財政諮問会議民間議員、政府税制調査会委員
2004年: 大阪市都市経営諮問会議座長
2006年: 政府税制調査会会長
2007年: 大阪大学を退職、近畿大学世界経済研究所所長/教授
2008年: 大阪府特別顧問
* 2016年: 瑞宝重光章受章

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