村山達雄

村山達雄 (むらやま たつお)

村山達雄は1915年2月8日に新潟県長岡市坂之上町で生まれ、2010年5月20日に95歳で亡くなった日本の大蔵官僚および政治家です。彼は正三位勲一等旭日大綬章を受章しており、衆議院議員を12期務め、大蔵大臣（第82代・第91代・第92代）および厚生大臣（第65代）としても活動しました。特に税制に精通しており、消費税の導入にも関与しました。

来歴・人物

村山は、新潟県の長岡市に生まれた株屋の三男でした。彼は小学校から中学校へ進学し、高校受験に際して担任の勧めで東京帝国大学法学部に進むため、1937年に卒業しました。この学歴を背景に、村山は大蔵省に入省し、理財局に属しました。

彼は神戸税務署長としての職務を経て、戦後に大阪財務局直税部長や国税庁の幹部職を歴任しました。村山は国税庁直税部長としての任務を遂行している間に、池田勇人元総理大臣からは主税局長としての手腕を高く評価されました。

政治家としての活動

1963年に大蔵省を退官後、村山は衆議院議員として政治活動を始めます。彼は自民党内で宏池会に所属し、運輸政務次官や法務政務次官などの役職を歴任しました。特に、福田改造内閣の大蔵大臣として就任し、その後は厚生大臣にも就任しました。

1988年には、竹下内閣の大蔵大臣に就任し、消費税の導入に尽力しました。村山はその後も宇野内閣で大臣としての役割を果たし、税制改革に関する重要なプロジェクトに関与しました。1993年には勲一等旭日大綬章を受章し、1996年の衆議院議員選挙でも当選しましたが、2000年に政界を引退しました。

村山の政治活動は、財政規律を重んじる姿勢が際立っており、利益誘導的な提案に対しては毅然とした態度を示していました。この姿勢が選挙戦では逆風となることもありましたが、彼の支持者たちの結束は非常に強固でした。

エピソード

村山はその地味な人柄と学者肌の性格から、税制や財政の専門家として知られていました。特に消費税の創設に関する貢献は大きく、彼に寄せられた評価は高く、竹下首相が辞任した際には彼の名前が後継候補として挙がることもありましたが、最終的には宇野宗佑が指名されました。

また、運輸政務次官の頃には、地元の長岡駅改築の陳情に対して「国鉄の財政難」を理由に断った逸話も残っています。彼は選挙での苦戦が続くも、支持者のサポートを受けて着実に成果を上げました。特に、大蔵大臣就任時には祝杯が約1ヶ月続くなど、彼の後援会の団結力は抜群でした。

家族・親族

村山の家族は長岡市から吉祥寺に移り住みました。父は株屋で、母と三人の姉妹がいました。彼の長女は昭和16年生まれで、次女は大蔵官僚と結婚しています。また、彼の孫の夫も政治家として活躍しているなど、家族も政治的な背景を持っています。

村山達雄は税制改革に深く関わったことで、日本の財政政策に多大な影響を与えた人物です。その生涯は、政治家としての厳格さと共に、彼の人柄によって支えられていました。

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