自由法曹団

自由法曹団の概要

自由法曹団（じゆうほうそうだん、英：Japan Lawyers Association for Freedom、略称：JLAF）は、1921年に設立された日本の弁護士団体です。この団体は、神戸市における労働争議の弾圧を受け調査団が結成されたことをきっかけにしています。現在、約2100人の弁護士が所属し、41の支部を有しています。

設立の目的

自由法曹団の設立目的は、「基本的人権を守り、民主主義を強化し、平和で独立した民主日本の実現に寄与すること」です。この目的を掲げて、団体は多岐にわたる裁判や社会的問題に取り組んでおり、刑事弾圧や冤罪の問題、労働争議、基地訴訟、環境問題、公害訴訟、税金関連の訴訟、消費者問題などがあります。

団体は、自衛隊のイラク派遣、国旗・国歌の強制、教育基本法の改訂、弁護士費用の敗訴者負担に対しても反対の立場を取っています。特に、国家権力や大企業との対峙、個人の思想の自由や男女同権を重視する姿勢が特徴です。このような活動から「革新弁護士のグループ」とも称されています。

組織の特徴

自由法曹団は、特定の政治団体に対して親密な関係を持つことが一般的ですが、特に日本共産党との関係が深いことが知られています。しかし、かつては旧社会党に所属していた弁護士も数多く在籍しており、その後、社民党や立憲民主党の支持母体となった弁護士も多く存在しています。

団体名に類似する「自由民主法曹団」という組織もありますが、こちらは自民党の顧問弁護士で構成された団体であり、自由法曹団とは異なる立ち位置にあります。

団員と役員

自由法曹団は、2015年10月の段階で約2100人の団員を擁しています。団の役員には、荒井新二団長や、今村幸次郎幹事長、西田穣事務局長が名を連ねています。団所属の著名な弁護士には、団創立メンバーである布施辰治や山崎今朝弥、さらには元政治家や学者たちも多く、幅広い分野での社会活動が行われています。

出版物と活動

自由法曹団は、これまでに多くの調査報告書や法令関連の書籍を出版しており、特に公判を通じた法的な議論を促進する役割を果たしています。たとえば、布施辰治が編纂した「奈良県下事件国粋会対水平社の争闘調査報告書」（1923年）や、「憲法判例をつくる」（1998年）などがあります。これらの出版物を通じて、社会の中での法律と倫理、権利意識の向上を目指しています。

関連項目

自由法曹団に関連する団体には、青年法律家協会、日本民主法律家協会、日本国民救援会、日本労働弁護団などがあります。これらの団体と連携しながら、法の支配と社会正義の実現を目指しています。本団体は、今後も多様な問題に挑戦し、正義と平和を追求していく姿勢を貫いていくことでしょう。

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