致平親王

致平親王（むねひらしんのう）について

致平親王は、平安時代中期に活躍した皇族で、村上天皇の第三皇子です。彼はその政治的キャリアと仏教への深い理解から、平安時代の重要な人物とされています。

経歴

致平親王は、康保2年（965年）に清涼殿で元服を迎えました。この儀式では、中納言の源兼明から加冠を受け、頭中将の源延光によって理髪が行われました。同年、彼は上野太守に任命され、康保4年（967年）には四品に叙位されます。その後、円融天皇の時代には上総太守、兵部卿、および大宰帥を歴任します。

天元4年（981年）、致平親王は園城寺の余慶に従い出家を決意します。三井明王院で智弁に師事し、法名を悟円とし、明王院宮や法三宮とも呼ばれました。出家の際には、徽子女王や中務から歌を贈られるほどの人望がありました。

親王はその後、約60年にわたって仏教の修行を続け、後朱雀朝の長久2年（1041年）2月20日に91歳で亡くなります。彼の長寿は、その生前に受けた教えや信仰心の賜物とも言えます。

官歴

致平親王の官歴は以下の通りです：

• - 康保2年（965年）7月28日：上野太守に任命。
• - 同年10月28日：元服。
• - 康保4年（967年）：四品に叙位。
• - 安和2年（969年）9月20日：帯剣を行う。9月23日：上総太守に任命。
• - 天禄2年（971年）：兵部卿に任命。
• - 貞元元年（976年）正月20日：大宰帥に任命。
• - 天元4年（981年）5月11日：出家（この時、兵部卿四品の地位にありました）。
• - 長久2年（1041年）2月20日：薨去。

系譜

致平親王の系譜は以下のようになります：

• - 父：村上天皇
• - 母：藤原正妃（藤原在衡の娘）
• - 妻：源雅信の娘
• - 男子：

- 源成信（979年生まれ、行方不明） - 藤原道長の養子
- 源致信
- 永円（980年 – 1044年）

参考文献

• - 『尊卑分脈 第三篇』吉川弘文館、1987年
• - 宮崎康充編『国司補任 第三』続群書類従完成会、1990年

致平親王は、その多彩な職歴と長寿により、平安時代の歴史に名を残した重要な人物であり、特に宗教心の深さが彼の人生を彩りました。

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