源延光

源延光（みなもと の のぶみつ）

源延光は、平安時代中期に活躍した公卿であり、歌人としても知られています。醍醐天皇の皇子である代明親王を父に持ち、源氏の血を引いています。枇杷大納言という異名を持ち、その官位は従三位・権大納言にまで昇りました。

生涯

延光は、朱雀天皇の時代末期である天慶9年（946年）に、従四位下に叙せられ、源朝臣の姓を賜って臣籍に下りました。その後、天暦2年（948年）には侍従に任官し、朝廷でのキャリアをスタートさせます。天暦3年（949年）には、右大臣藤原師輔を請客使として迎える役目を務めました。

その後、春宮権亮や内蔵頭、右兵衛督といった役職を歴任し、天徳4年（960年）には従四位上・蔵人頭兼右近衛権中将に昇進しました。康保3年（966年）には参議に任じられ、公卿の仲間入りを果たします。兄の保光よりも4年早く参議に昇進したことは、彼の才能と力量を示すものでしょう。

議政官としての職務と並行して、右近衛権中将や春宮大夫も兼任し、安和2年（969年）には正四位下に叙せられました。円融天皇の御代である天禄元年（970年）には、従三位・権中納言に任じられ、天禄3年（972年）には中納言に昇進しました。天禄4年（973年）には検非違使別当に任命されますが、翌年には兄の重光にその職を譲っています。天延3年（975年）には、権大納言にまで昇りつめました。

しかし、天延4年（976年）に病のため出家し、その3日後には50歳で亡くなりました。勅撰歌人としても知られ、『拾遺和歌集』をはじめとする勅撰[[和歌集]]に、彼の和歌が5首収録されています。

官歴

以下は、『公卿補任』に記載された延光の官歴です。

天慶5年（942年）4月25日：昇殿
天慶9年（946年）正月7日：従四位下（殿上労）
天暦2年（948年）6月29日：侍従
天暦3年（949年）正月11日：請客使（右大臣藤原師輔）
天暦8年（954年）3月14日：春宮権亮（春宮・憲平親王）
天暦9年（955年）7月24日：兼内蔵頭、権亮如元
天徳3年（959年）正月30日：右兵衛督、頭権亮如元
天徳4年（960年）正月7日：従四位上、9月16日：蔵人頭、10月9日：右近衛権中将
天徳5年（961年）正月25日：兼備中権守
応和3年（963年）9月4日：兼伊予権守
康保3年（966年）9月17日：参議、中将如元
康保4年（967年）正月20日：播磨権守
安和元年（968年）11月：伊予権守
安和2年（969年）8月13日：春宮大夫（春宮・師貞親王）、9月21日：正四位下
天禄元年（970年）8月5日：従三位・権中納言、大夫如元
天禄3年（972年）正月3日：勅授帯劔、正月24日：中納言、督大夫如元
天禄4年（973年）2月15日：検非違使別当
天延2年（974年）2月17日：辞別当（譲兄重光）
天延3年（975年）正月26日：権大納言、大夫如元
天延4年（976年）6月14日：出家、6月17日：薨去

系譜

父：代明親王
母：藤原定方の娘
妻：藤原敦忠の娘
子女：男子：源泰平、女子：藤原済時室

参考文献

『公卿補任 第一篇』吉川弘文館、1982年
『尊卑分脈 第三篇』吉川弘文館、1987年

外部リンク

* 『摂関期古記録データベース』国際日本文化研究センター（『延光記』の読み下し文を公開）

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