興昌寺 (観音寺市)

興昌寺について

香川県観音寺市にある興昌寺は、臨済宗東福寺派に属する寺院です。その歴史は古く、弘法大師によって開かれたと伝えられ、かつては真言密教の道場として機能していました。この寺は、俳諧の祖とも言われる山崎宗鑑が晩年を過ごした地としても知られており、境内には彼が住んだとされる一夜庵や墓址が残っています。江戸時代以降、多くの俳人がこの地を訪れ、数々の俳句を詠みました。

境内と見どころ

興昌寺の境内は、背後にそびえる興昌寺山（標高72m）と一体となっており、自然豊かな景観が広がっています。山にはミニ霊場88カ所めぐりのコースが設けられており、地元の人々を中心に、日課として巡る人もいるほどです。このコースは約1時間で一周でき、中には7000周以上を達成した人もいるそうです。コース上には、小堂や石仏が点在しており、歴史を感じさせる雰囲気があります。

伽藍

山門：天和3年（1683年）に再建されたもので、歴史を感じさせる風格があります。
本堂：寺の中心となる建物です。
仏足石：天明丙午3月（1768年）に刻まれたもので、薬師寺（753年）の仏足石の第6複本です。観音寺市指定有形民俗文化財となっています。
一夜庵：山崎宗鑑が住んだ庵で、数寄屋造りの建物は日本最古の俳跡と言われています。
興昌寺山八十八ヶ所：ミニ霊場巡りのコース。1番、19番、24番、36番、38番、75番、88番の要所には小堂があり、番外の阿波慈眼寺とみられる場所には岩窟があります。19番の小堂の背後からは瀬戸内海に浮かぶ伊吹島を望むことができます。最古の石仏は明和2年（1765年）、最新の石仏は明治2年（1870年）のものです。
興昌寺山三十三所：山中の一か所に33体の石仏が並んでいます。
不動明王堂：山中の家屋に祀られています。
駐車場：山門前に無料の駐車場があります。

文化財

興昌寺には、観音寺市指定の文化財がいくつかあります。

山崎宗鑑遺墨：平成15年3月20日に指定された山崎宗鑑の書です。
一夜庵：享禄元年（1528年）に建立された数寄屋造りの建物で、日本最古の俳跡と言われています。「上は立ち中は日ぐらし下は夜まで一夜泊まりは下々の下の客」という言葉から、一日以上の滞在を許さなかったことが命名の由来とされています。昭和41年1月13日に指定されました。
興昌寺山古墳：興昌寺山の頂上に位置する古墳で、昭和45年3月12日に指定されました。

交通アクセス

興昌寺へのアクセスは以下の通りです。

鉄道：JR予讃線観音寺駅から約2km
道路：香川県道21号線三架橋北詰から約1km
自動車道：高松自動車道大野原ICから約6km


興昌寺は、歴史的な背景と豊かな自然が融合した魅力的な寺院です。俳句に興味のある方や、静かな場所で心身を癒したい方にとって、訪れる価値のある場所と言えるでしょう。

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