興源寺 (徳島市)

興源寺について

興源寺（こうげんじ）は、徳島県徳島市下助任町に所在し、臨済宗妙心寺派に属する寺院です。この寺の山号は大雄山であり、本尊は不動明王です。特に注目すべきは、徳島藩主である蜂須賀家の墓所を有しており、国の史跡にも指定されています。境内は助任緑地として整備されており、多くの訪問者が自然の中で静かなひと時を過ごすことができます。

歴史的背景

興源寺の起源は、徳島城内にありました。もともと蜂須賀家の祖先である蜂須賀家政の異父兄で、臨済宗の僧侶であった東嶽によって開かれた江岸山福聚寺という寺にさかのぼります。1586年（天正14年）に、蜂須賀家政によって、所在地が下助任町に移転しました。そして、2代藩主の忠英によって1636年（寛永13年）に大雄山興源寺という現在の名称に改名されました。

もともと境内には築地塀があり、この中に蜂須賀家の代々の墓所が整備されています。興源寺は、徳島藩時代に蜂須賀家から550石の寺禄を受けていました。また、境内を流れる興源寺川は、この寺にさらなる風情を加えています。

墓所の詳細

興源寺の墓所には多くの歴史的人物が埋葬されています。中でも井上不鳴という江戸時代の医師もここに眠っています。蜂須賀家の墓所には、家祖である蜂須賀正勝（小六）とその正室である松（大匠院）の墓がありますが、これは他の歴代の墓とは異なる場所に位置しています。正勝の他にも、蜂須賀家政や初代藩主の至鎮から13代藩主の斉裕までの墓がここに力強く存在しています。

ただし、7代藩主宗英の遺体は京都の清浄華院に埋葬されており、興源寺にはその遺髪が納められています。また、10代藩主重喜の時代には徳島市佐古山町に儒教式の墓が新たに造られ、8代藩主宗鎮の遺体はこの万年山に改葬されています。8代から13代までの藩主については、万年山に遺体が葬られる一方、興源寺にも仏教式の墓が存在し、そこには遺髪が安置されています。

アクセス方法

興源寺へのアクセスは非常に便利です。JR「徳島駅」から徳島市営バスを利用し、助任橋経由で吉野川橋行きのバスに乗って約7分ほどです。「下助任バス停」で下車し、そこから徒歩で約3分の距離に位置しています。

興源寺はただの寺院ではなく、その歴史や文化が色濃く残る場所です。訪れる人々は、静寂な環境の中で歴史的な価値に触れ、心を落ち着けることができるのです。

もう一度検索