興禅寺 (横浜市南区)

海門山興禅寺の概要

海門山興禅寺（こうぜんじ）は、神奈川県横浜市南区清水ケ丘に所在する曹洞宗の寺院で、1935年（昭和10年）に創立されました。住所は横浜市南区清水ケ丘225です。この寺院は、横浜市道を挟んだ北側に、市営の久保山火葬場や久保山墓地が隣接しています。

歴史と沿革

興禅寺の開山は、渡辺玄宗で、彼は総持寺の17代貫主です。歴代住職は以下の通りです。

• - 初代: 渡辺玄宗（開山）
• - 二世: 市川伊雄
• - 三世: 市川智彬（文質智彬）
• - 四世: 市川憲章（大徹憲章）

各住職が引き継いできた豊かな歴史が、寺院の魅力を一層引き立てています。

本堂の構造

本堂は鉄筋コンクリート製で三階建て、間口は約10.01メートル、奥行は約21.84メートル、広さは75坪です。1階には駐車場があり、2階が本堂、3階は納骨堂として利用されています。

寺宝

興禅寺には、観世音菩薩（高さ50センチ）、十一観世音面（高さ75センチ）、そして西国三十三所観音（ミニ本尊）が奉納されています。これらの寺宝は、信仰の象徴として地域の人々に親しまれています。

参禅会と写経教室

毎週日曜日には、参禅会を開催しており、午前7時から9時まで行われます。また、写経教室も毎月の第一と第三土曜日に午後2時から4時まで実施されており、仏教に触れる良い機会となっています。

地域貢献

興禅寺は近隣の寺院の住職との結びつきも強く、地域の南町内会の顧問を務めています。三世の市川智彬住職は、定例幹事会や年次総会の会場を提供するなど、地域に対する貢献に努めています。

市川伊雄大和尚顕彰碑

寺院の北側には、市川伊雄大和尚の顕彰碑が建立されています。この石碑には彼の功績や、戦後の遺骨搬出に関する逸話が刻まれています。特に、彼はA級戦犯である東条英機らの遺骨を密かに安置し、その冥福を祈り続けたことが評価されています。この行動は、禅僧としての高い精神性を象徴しています。

火葬場との関係

興禅寺は久保山火葬場の近くにあり、歴史的にはその立地に関連した重要な出来事が数多くあります。猪瀬直樹や城山三郎の著作では、戦後の困難な時期における遺骨収集のエピソードが詳述されており、寺院の関わりが浮き彫りになります。これらの出来事は、地域社会と寺院との深い関係を示すものでもあります。

周辺の施設

寺院の周辺には、横浜市立太田小学校や関東学院小学校、関東学院中学校高等学校などの教育機関があり、地域の教育環境も充実しています。

アクセス

興禅寺へのアクセスには、京急本線の南太田駅から徒歩約12分、横浜市営地下鉄吉野町駅から徒歩約18分、JRの保土ケ谷駅から徒歩約15分かかります。また、横浜市営バスを利用する際は、久保山停留所から徒歩約12分、久保山霊堂前停留所からは徒歩2分の距離にあります。

このように海門山興禅寺は、歴史的な背景を持つだけでなく、地域社会への貢献にも力を入れた信仰の場として、今後も多くの人々に親しまれることでしょう。

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