舌骨

舌骨の解説

舌骨（ぜっこつ）は、英語でHyoid bone、ラテン語でOs hyoideumと呼ばれる骨です。この骨は、四肢動物の祖先である魚類の鰓弓構造から進化したものとされています。特徴的なU字型をしたこの骨は、下顎と咽頭の間に位置し、他の骨とは結びついていないため、筋肉によって支えられています。特に、舌の基部を支える役割を果たします。

舌骨は、亜鉛のような蹄鉄の形をしており、副頭骨の茎突突起に茎突舌骨靱帯で結ばれています。その形状は、中心にある体と両側にある大角、小角から成り立っています。また、舌骨という名前は、現代ラテン語のhyoīdēsから派生しており、形状がギリシャ文字のUに似ていることが由来です。

体

舌骨の体部は中央に位置し、前面は多少の凸型で、上部に顕著な斜走隆線があります。この隆線は、その上下にある筋肉の付着部に関連しており、様々な筋肉がここに付着しています。後面は滑らかな凹面を持ち、甲状舌骨膜によって喉頭から分かれています。また、舌骨と甲状舌骨膜の間にはbursaが存在します。上縁は丸みを帯びており、オトガイ舌筋の繊維が付着しています。下縁には、胸骨舌骨筋や肩甲舌骨筋が付着することが多いです。特に、若い頃は側面の大角との結合部が軟骨でつながれていることがありますが、年齢とともに骨化が進みます。

大角と小角

舌骨には、大角と小角という二種類の突出部があります。大角は、体の後部から後方に向かって伸びる長い部分で、筋肉が接続するためのざらざらとした表面を持っています。大角の両端はhyothyroid靭帯と呼ばれる結節に繋がっています。また、小角は体の上側に位置する小さな上向きの円錐形であり、体と大角をつなぐ役目を果たします。小角においては、しばしば可動性の関節が形成されることもあります。

骨化と骨折

舌骨の骨化は、体が二つ、大角が一つ、小角が一つの合計六か所から進行します。このプロセスは出生直前から始まる大角の骨化に続いて、体や小角の骨化が行われます。また、舌骨はその独特の位置関係から骨折が起こりにくく、特に異常死の場合、舌骨の骨折は絞殺の強い証拠とされます。

舌骨は、そのユニークな形状と機能により、嚥下や発声に欠かせない重要な役割を担っている骨です。

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