舎人公園

概要

舎人公園は、東京都足立区にある都立の総合公園で、約63ヘクタールの広大な敷地を有しています。公園の中央を十字に交差する道路によって、大きく4つのエリアに分かれています。

西側エリア（A・D地区）には、陸上競技場（3種公認）、テニスコート、野球場などのスポーツ施設が充実しており、活気にあふれています。一方、東側エリア（B・C地区）は、水鳥が観察できる大池や親水広場、キャンプ場など、自然と触れ合える空間が広がっています。特に南東部にはバードサンクチュアリが設けられ、野鳥観察を楽しむことができます。

公園は埼玉県境に近いため、埼玉県からの利用者も多く、広域的な利用が見られます。以前は鉄道駅から遠く、バスや自動車でのアクセスが主な手段でしたが、日暮里・舎人ライナーの開業により、舎人公園駅が公園の東西敷地に挟まれるように設置されたため、アクセスが大幅に改善されました。また、公園東側敷地内地下には、同鉄道の車両基地があります。有料駐車場は2か所設けられています。

歴史

舎人公園は、その歴史を遡ると、太平洋戦争以前の都市防衛のための防空緑地として計画されたことに始まります。1940年（昭和15年）に内務省が設置した都市計画東京地方委員会によって計画決定され、都心から20km圏内に設置される防災緑地のひとつとして選ばれました。

この背景には、当時の東京における急激な人口増加と都市過密化がありました。委員会は、都市環境・防災構造の改善を図るため、戦時には空襲による戦災被害を軽減し、平時には地域住民の健康増進に役立てることを目指していました。しかし、太平洋戦争の戦局悪化により、買収された用地は食糧増産のために耕作地として利用され、戦後の農地改革によって、一旦は東京都がその土地を失うことになります。

その後、1947年（昭和22年）に都市計画東京地方委員会で、都市環境改善と都市防災向上のために都市公園を設置することが再び検討され、1957年（昭和32年）に都市計画公園第五九号舎人公園として再出発することになりました。1969年（昭和44年）には公園計画が縮小されましたが、その後、土地の再取得が進められ、1977年（昭和52年）には「天皇陛下御在位五十周年記念公園」の指定を受けました。

1981年（昭和56年）に一部区域が一般開放され、その後も整備が進められ、2008年には計画面積の約70%が整備完了しました。2010年5月には61.3haが開園しました。

最後に残された未整備のC地区（公園東南部分）についても、2016年度から整備が開始され、2022年6月1日にほぼ概成しました。

現在の状況

現在、舎人公園は都民の憩いの場として、多くの人々に利用されています。スポーツ施設、自然豊かな環境、バードサンクチュアリなど、さまざまな楽しみ方ができるのが魅力です。また、地下には日暮里・舎人ライナーの車両基地があり、近い将来に発生が懸念される南関東直下地震の際には、東京都指定広域避難場所としての役割も担っています。

公園周辺の住所表示は、西側は舎人公園および皿沼として実施されていますが、東側は未実施の地域も多く、古千谷1丁目、古千谷2丁目、西伊興町、舎人町、入谷町が入り組んでいます。

関連情報

経済センサスのデータによると、公園周辺にはいくつかの事業所が存在し、地域経済にも貢献しています。

外部リンク

舎人公園（財団法人東京都公園協会）
「街ログ」舎人ライナー特集
* 日暮里・舎人ライナー（東京都交通局）

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