航空機用救命無線機

航空機用救命無線機（Emergency Locator Transmitter、略称：ELT）は、航空機が事故に遭遇した際に、その遭難場所を特定するための無線設備です。航空機の遭難事故では、無線での通信が困難な状況が多いため、ELTが重要な役割を果たします。

ELTには、主に以下の3つのタイプがあります。

自動型: 航空機の墜落などの衝撃を感知して、自動的に遭難信号を発信するタイプです。
水上型: 水中に投げ込まれると、水面に浮上して自立し、遭難信号を発信するタイプです。
手動型: 手動でスイッチを入れることで、遭難信号を発信するタイプです。

航空機が飛行計画通りに位置を報告しない場合、最後の報告地点を中心に捜索が行われます。同時に、ELTから発信された電波は、海上保安庁が参加する国際コスパス・サーサット・プログラムのシステムで受信され、捜索活動に役立てられます。

従来のELTは、航空緊急用の周波数である121.5MHzと、捜索救難用の周波数である243MHzの電波を使用していました。しかし、これらの周波数での発信の95%が誤発射であったため、より正確な位置情報を提供する406MHzへの移行が進められました。406MHzのELTには、発信機の種類、登録国の番号、IDなどが入力されており、コスパス・サーサット衛星システムによる121.5MHzの処理は2009年1月31日に終了しました。

なお、船舶向けの同種の製品としては、非常用位置指示無線標識装置（EPIRB）があります。

かつては、ブライトリングが手動型ELT（121.5MHz）を組み込んだ腕時計「エマージェンシー」を販売していました。

関連事項

航空法
電波法
海上保安庁 - コスパス・サーサット衛星システムに参加しています。
メーデー ([[遭難信号)]]
水中ロケータービーコン

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