航行援助施設利用料

航行援助施設利用料について

航空機が日本国内の空港に着陸する際や、日本の管轄する飛行情報区域（FIR）を横切る際に必要とされる航行援助施設利用料は、航空路における航空安全の確保とそのための施設整備や運営にかかる費用を賄うために設定されています。この料金制度は1971年8月に始まり、航空業界における重要な収入源として機能しています。

概要

航行援助施設利用料は、航空交通の安全を保障するための航空保安施設（無線、通信、管制など）の設置及び運用に必要な資金を調達することを目的として設立されました。この料金は、徴収された後、社会資本整備事業特別会計の空港整備勘定に振り分けられ、主に空港のインフラ整備や保守に利用されます。

料金体系

航行援助施設利用料の体系は、航空機の種類や目的地に応じて異なります。主な料金計算方法は次の通りです。

• - 最大離陸重量が15トンを超える航空機の料金（着陸1回あたり）

- 国内で離着陸する航空機（航空運送事業の許可を受けたもの）や国際航空に従事する航空機で、1トンあたり780円が適用されます。
- 外国から日本の空港に到着する航空機にも同様の料金が適用されます。
- 同じ空港において離着陸する航空機の場合も、1トン当たり780円が適用されます。

• - その他の航空機（着陸1回あたり）

- 上記以外の航空機には、120円の料金が掛かります。

• - 我が国の管轄するFIRを通過する航空機（最大離陸重量15トン以上）

- 陸上空域及びその周辺区域を通過する場合、1回あたり89,000円の料金がかかります。
- 洋上空域のみを通過する航空機には、1回あたり16,000円の料金が必要です。

また、沖縄や離島に関しては特別な料金軽減措置が設けられる場合もあります。

沿革

航行援助施設利用料の歴史は1971年の徴収開始から始まります。その後数十年にわたり、料金が改定され続けています。初の料金引き上げは1973年に国際線で約20％の値上げが行われ、その後も段階的に値上がりしていきました。特に、1977年には国際線料金が50％、国内線料金が100％引き上げられるなど、料金体系が厳しく見直されることになります。2000年には、上空通過料の徴収が新たに始まり、同時に国内線及び国際線については料金を4％引き下げる措置が取られました。

このように、航行援助施設利用料は航空業界において欠かすことのできない制度であり、航空交通の安全を支える重要な役割を果たしています。

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