船田義昌

船田義昌の生涯

船田義昌（ふなだ よしまさ）は、鎌倉時代から南北朝時代にかけて活動した武将であり、新田義貞の執事として知られています。その存在は歴史の中で重要な役割を果たしており、彼自身も『梅松論』で「一人当千」と称されています。義昌は、戦略家としての優れた才能を発揮し、多くの戦いで新田義貞を支えました。

略歴

元弘元年（1331年）、元弘の乱が勃発した際、義昌は義貞と共に大番役として上洛し、楠木正成討伐のために鎌倉幕府軍に従軍しました。この戦いの中で千早城の戦いにも参加し、義貞と共に計略を巡らせ、護良親王との接触を図りました。彼らは北条氏打倒のための命を受け、戦いを進めました。

元弘3年（1333年）、義貞が新田荘を訪れた際には、御内人の黒沼彦四郎と出雲介池田親連が捕縛されます。義昌は、親連と同族であったため、彼の助命を願い出ました。このように、義昌はただの武将ではなく、人情にも厚い一面を持っていました。

同年5月、義貞が幕府への反旗を翻したとき、義昌は彼をしっかりと支えました。『太平記』の記録によると、北条一門が自刃した際、その遺品を強奪した家臣狩野重光を捕らえ処刑したことが記されています。また、北条高時の嫡男である邦時を匿っていた五大院宗繁の密告を受け、邦時を捕らえ処刑するなど、義昌は幕府の残党掃討にも力を注ぎました。

建武2年（1335年）8月、北条時行の挙兵により足利尊氏が建武政権から离脱すると、義貞は尊氏追討軍の総大将となります。義昌は義貞の指示で、足利氏の邸宅に赴き、縁起をかつぐために鏑矢を射るなど、戦に向けた準備を整えました。しかし、出陣した討伐軍は尊氏の軍に敗北し、その後の戦いに悪影響を及ぼしました。特に天竜川での渡河では、義昌は義貞と手を取り合い、危機を乗り越えました。

建武3年（1336年）1月16日、京都奪回を巡る戦いに臨みますが、義昌はこの激闘で命を落とすことになりました。彼の死は新田軍にとって非常に大きな痛手となり、多くの人々がその死を悼む事となったのです。

遺族と伝説

義昌が再建したとされる善昌寺が群馬県桐生市新里町にあります。この寺には「義貞の首塚」が存在し、義昌が義貞の首を故郷に持ち帰り、供養したという伝説が語り継がれています。義昌の功績は、彼の死後も人々によって記憶され続け、歴史的な存在感を保っています。

参考文献

• - 『新田義貞 (人物叢書)』(峰岸純夫著、吉川弘文館、2005年)
• - 『新田義貞 関東を落すことは子細なし』(山本隆志著、ミネルヴァ書房、2005年)
• - 『太平記』

彼の生涯は、戦の中で巧みに駆け引きをし、家族や仲間に対する愛情を持ちながらも、激しさと激情に満ちたものでした。船田義昌の物語は、まさに鎌倉時代から南北朝時代にかけての tumultuous な歴史の一端を示しています。

もう一度検索