芝川 (埼玉県)

芝川（しばかわ）

芝川は埼玉県東部を主に流れる一級河川であり、荒川水系荒川の支流です。この川は地元に密接に関連した歴史や文化を感じさせ、地域の生活に貢献してきました。

地理

芝川は、上尾市内の二つの湧水、桶川市末広2丁目の流れと上尾市菅谷の流れから始まります。これらの流れは上尾市本町の一本杉橋の北側で合流し、南へと流れていきます。

その後、川は東に向きを変え、さいたま市見沼田圃の沖積平地を流れます。この地域の海抜は約4から5メートルで、加田屋川との合流点近くには芝川第一調節池も位置しています。

川は川口市に入ると青木水門で芝川と新芝川（芝川放水路）に分かれ、最後に川口市南端の領家水門で新芝川と再合流し、芝川水門から荒川へと注ぎます。こうした形で、芝川は大宮台地の浦和、大宮、片柳、鳩ヶ谷と隔てられた低地を形成しています。

歴史

見沼を源とするこの川の原型は、かつての入間川の流路に起源を持っています。江戸時代初期には見沼が溜井として改修され、その後1728年に干拓が行われて現在の芝川の河道が作られました。これにより、芝川は江戸と干拓地を結ぶ通船路としての役割も果たしました。

近代には、荒川放水路の掘削と治水の目的で1916年から水利調査が行われ、1940年には新たな放水路の建設が始まります。戦争によって中断された工事後、1955年から再開され、1965年には新芝川として完成しました。現在の青木水門以降は「旧芝川」とも呼ばれています。

上尾市の上平地区では1989年から1995年にかけてボックスカルバート工法による暗渠化が行われ、その上部は親水公園として整備されています。2008年には芝川に関するプロジェクトが手づくり郷土賞を受賞しました。

流域の自治体

芝川の流域には桶川市、上尾市、さいたま市、川口市などの自治体が含まれており、東京都足立区にも位置しています。

水質の改善

かつて芝川は市街地を流れていたために水質が悪化し、悪臭が漂っていましたが、地域住民と地方公共団体の努力により水質が改善され、悪臭も解消されつつあります。2009年度には環境省からのデータでは、公共用水域環境基準を大きく下回るダイオキシン類しか検出されていないという報告もあります。さらに、荒川の水を芝川に注ぎ込む取り組みなどが行われています。

水害の歴史

昭和40年代以前は堤防が整備されておらず、特に川口市青木地区では頻繁に水害が発生していました。しかし、堤防の整備やポンプの設置によって、現在では浸水被害は解消されています。現在は川幅を広げる工事が進行中です。

市民活動

芝川に関する市民活動も活発で、「芝川プロジェクト実行委員会」が設立され、清掃活動や環境に関する講演会が行われています。地域の子供たちが作ったアートが河川敷に飾られることもあり、地域の環境意識の高まりが見られます。これにより、芝川はただの河川ではなく、地域の文化や歴史を体現する重要な存在となっています。

橋梁

芝川には多くの橋が架かっており、その中にはまなび橋や長浪橋、青木橋などが含まれています。これらの橋は地域の交通や生活を支える重要な役割を果たしています。

まとめ

芝川は埼玉県東部に位置し、その地理的・歴史的背景から地域に深く根付いた存在です。水質改善の取り組みや市民活動を通じて、これからもこの川が地域にとって重要な役割を果たし続けることが期待されます。

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